画家の上田薫さん死去 生卵写実的に描く

2025/10/06 12:54
 制作中の上田薫さん=2020年、神奈川県内のアトリエ
 制作中の上田薫さん=2020年、神奈川県内のアトリエ
 「スーパーリアリズム」と呼ばれる写実的な手法で描いた生卵の絵で知られる画家の上田薫(うえだ・かおる)さんが9月26日、老衰のため死去した。96歳。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は妻葉子(ようこ)さん。

 東京芸術大を卒業後、抽象画を手がけ、グラフィックデザイナーを経て、再び絵画制作に取り組んだ。1970年ごろからは、写真をキャンバスに投影しなぞって描く手法で、割れた卵の殻から中身が落ちる瞬間や、スプーンですくったゼリーなどを克明に描いた作品で注目された。作品は各地の美術館に収蔵され、美術の教科書にも掲載された。

 茨城大教授などを歴任。2023年に高松市美術館で開かれた回顧展に新作を展示するなど最晩年まで精力的に制作を続けた。

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