特別監察のため佐賀県警本部に入る警察庁の首席監察官ら=8日午前
佐賀県警の科学捜査研究所(科捜研)元職員によるDNA型鑑定不正で、警察庁は8日、県警に対する特別監察を始めた。同庁付属機関の「科学警察研究所」のDNA型鑑定の専門家を派遣し、原因を改めて検証。再発防止策をまとめる。県議会は2日、第三者による調査を求める決議を全会一致で可決しており、外部検証の必要性を否定する警察当局としても厳しい対応を迫られた形だ。
午前9時15分ごろ、警察庁の片倉秀樹首席監察官ら11人が県警本部に入った。警察庁は特別監察の期間について「当面の間」としており、県警トップの福田英之本部長らからの聴き取りや、鑑定不正に関する県警の内部調査資料の確認などを行うとみられる。
福田本部長は特別監察の結果について、県警として県民に説明する考えを示している。
警察庁によると、特別監察が実施されたのは記録が残る2011年以降では12年の愛知県警、14年の大阪府警と岡山県警、24年の鹿児島県警に続き5例目。