内部告発者に4千万円賠償請求 障害者ホームが元役員提訴

2025/10/11 17:03
 日本リメイクが運営する障害者向けグループホームの一つ=9月、埼玉県熊谷市
 日本リメイクが運営する障害者向けグループホームの一つ=9月、埼玉県熊谷市
 障害者向けグループホームの入居者から食費を過大徴収し、公的な報酬の不正請求もしていたとして、埼玉県から行政指導を受けたホーム運営会社が、きっかけとなる内部告発をした元取締役に対し、約4千万円の損害賠償を求める訴訟をさいたま地裁に起こしていたことが11日、分かった。元取締役は「正当な公益通報に対する報復だ」として反訴している。

 公益通報者保護法は「通報で損害を受けたことを理由に、通報者に賠償を請求することはできない」と定めているが、会社側は裁判の中で「会社に損害を与える目的のため、公益通報に該当しない」と主張している。

 裁判資料などによると、会社は埼玉県熊谷市を中心にグループホームを複数運営する「日本リメイク」(さいたま市)。

 同社の取締役だった青木智義さん(50)は昨年12月、退職前に過大徴収と不正請求のほか、別の取締役による業務上横領の疑いなどを県と県警に通報した。

 県は今年1~2月にホームを立ち入り調査。食材費と光熱水費の過大徴収分を入居者に返還することなどを指導した。

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