【独自】ロシア、NEC製品を軍事転用 海底ケーブル、北極圏で原潜防御

2025/10/23 13:00
 東京都港区のNEC本社ビル
 東京都港区のNEC本社ビル
 ロシア軍がNEC製の海底通信ケーブルを軍事転用した疑いがあることが23日、分かった。キプロスの民間企業を通じて調達した製品を、核ミサイル搭載の原子力潜水艦を守るため、敵国艦船を探る北極圏バレンツ海の海中監視網「ハーモニー」の構築に使ったもようだ。海底ケーブルの輸出には日本政府の許可が必要で、最終需要者や使用目的が実際と違う場合は外為法に抵触する。経済産業省がNECに外為法に基づく行政処分や行政指導に踏み切る可能性がある。

 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した文書に基づき、共同通信や米ワシントン・ポスト、南ドイツ新聞など10社による取材で、日米欧にまたがるロシアの調達網が判明した。NECは2018年にキプロスの企業に海底ケーブルを売却した事実を認めた上で「軍事利用されるとは考えていなかった」と説明した。

 ICIJが入手したキプロスの会計事務所の文書や関係者によると、NECはロシア国防省に近いキプロスの企業「モストレロ・コマーシャル」に対し、18年に海底ケーブル750キロメートルを売却した。

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