東京都中央区の日銀本店=1月
日銀は30日の金融政策決定会合で、政策金利を現行の0・5%程度で維持し、利上げを見送ることを決めた。金利の据え置きは6会合連続。米国の高関税政策が日本経済にもたらす影響を見極めつつ、金利を引き上げる適切な時期を探る。経済や物価の見通しをまとめた「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表し、2025年度の物価見通しを据え置いた。
利上げに慎重な姿勢を見せていた高市早苗氏の首相就任後初の会合だった。日銀内では、新政権と意思疎通するための時間が必要だとの考えも働いたとみられる。植田和男総裁が午後に記者会見し、政策判断の理由を説明する。
前回の9月会合と同様に、投票権を持つ9人の政策委員のうち、2人が0・75%程度への利上げを提案したが、否決された。想定を超えて推移する物価高を抑制するため、利上げを求める意見がどの程度広がるかが焦点だった。
生鮮食品を除く消費者物価上昇率の25年度の見通しは、前回7月予想の2・7%のまま据え置いた。25年度の実質国内総生産(GDP)成長率は0・7%に上げた。