高市早苗首相
政府が策定する経済対策の素案が10日、判明した。自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」を拡充し、地域で利用できるプレミアム商品券やマイナポイントの発行を支援する。米関税の影響を受ける中小企業の資金繰りも後押しする。物価高で力強さを欠く個人消費を喚起するとともに、高市早苗首相が掲げる「強い経済」の実現に向けて賃上げや投資を促進する方針だ。冬場の電気・ガス料金の補助も盛り込み、家計負担軽減の姿勢を強調した。
政府は素案を基に与党の自民党と日本維新の会と調整した上で、11月下旬に経済対策を閣議決定する見通しだ。交付金拡充では、コメ価格高騰の対応として「おこめ券」活用も検討している。裏付けとなる2025年度補正予算を編成し今国会で成立させる方針で、約13兆9千億円を計上した24年度の規模を上回るかどうかが注目される。
首相は就任直後に「生活の安全保障・物価高への対応」「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」「防衛力と外交力の強化」の三つを柱とする対策策定を指示した。