第38回東京国際映画祭、クロージングはクロエ・ジャオ最新作『ハムネット』

2025/09/20 15:00
クロエ・ジャオ監督の映画『ハムネット』が「第38回東京国際映画祭」クロージング作品に決定(C)2025 FOCUS FEATURES LLC.
クロエ・ジャオ監督の映画『ハムネット』が「第38回東京国際映画祭」クロージング作品に決定(C)2025 FOCUS FEATURES LLC.
 10月27日から11月5日まで、都内の日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催される「第38回東京国際映画祭」のクロージング作品に、アカデミー賞監督クロエ・ジャオの最新作『ハムネット(原題:HAMNET)』が選ばれた。

【動画】映画『ハムネット』海外版予告

 『ノマドランド』で「第93回アカデミー賞」作品賞・監督賞を受賞したジャオ監督にとって長編第5作となる本作は、シェイクスピアの名作「ハムレット」誕生の背景にある夫婦の愛と喪失を描いた作品。「第50回トロント国際映画祭」(2025年)では、観客賞(最高賞)を受賞した。2026年春に日本公開が決定している(配給:パルコ ユニバーサル)。

 2020年に発表されたオファレルの同名小説が原作。英女性小説賞や全米批評家協会賞を受賞し、世界的な評価を受けた。映画版は16世紀イングランドの小村を舞台に、薬草の知識を持つアグネス・シェイクスピアと、作家としてロンドンで活動する夫ウィリアム・シェイクスピア、そして3人の子どもたちの姿を描く。

 夫がロンドンで不在のなか、子どもたちを守ろうと奮闘するアグネスだったが、11歳の息子ハムネットを失い、深い悲しみに沈む。ペスト禍に揺れる時代背景とともに、夫婦の愛と喪失、そして戯曲「ハムレット」誕生に至るまでの悲劇と絆が浮かび上がる。

 アグネス役は『ウーマン・トーキング 私たちの選択』のジェシー・バックリー、ウィリアム役は『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のポール・メスカル。さらにエミリー・ワトソンやジョー・アルウィンら実力派も出演する。製作総指揮にはスティーヴン・スピルバーグとサム・メンデスが名を連ねる。

 ジャオ監督は、今回の東京国際映画祭で「黒澤明賞」の受賞も決まっており、その栄誉とともに披露される本作が映画祭の終幕を飾る。

 東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの市山尚三氏は「『ハムネット』は、歴史上の人物を主人公としつつ、現代の誰もが共感できる愛と喪失を女性の視点から力強く描いたという点で、今年の世界の映画の中でも屈指の1本と言うべき作品です。今年の映画祭のクロージングを飾るにふさわしい傑作です」とコメントしている。

ORICON NEWS(最新15件) >

日間ランキング >