『だるまさんが』が初代王者に、全国の声から選ばれた“みんなのよみきかせ絵本大賞”誕生

2025/10/02 17:50
「みんなのよみきかせ絵本大賞」受賞者
「みんなのよみきかせ絵本大賞」受賞者
 「絵本のよみきかせが好きな人が、今一番よみきかせしたい絵本を選ぶ」をコンセプトに、未来を担う子どもたちのために絵本を選出、表彰する「みんなのよみきかせ絵本大賞」。その第1回の受賞作品が決定し、10月1日に授賞式が行われた。

【動画】絵本の名作がずらり…! “みんなのよみきかせ絵本大賞”授賞式の様子

■2部門で選出 絵本好き&園児が選ぶ、“今いちばん読みたい”絵本とは?

 「みんなのよみきかせ絵本大賞」は、「絵本大好きさんがえらぶ! よみきかせ絵本部門」と「園児さんと先生でえらぶ! よみきかせ絵本部門」の2部門で構成されている。

 「絵本大好きさんがえらぶ! よみきかせ絵本部門」では、全国の絵本好き3,626名から推薦の多かった上位15冊を選出。そこから5,226名による最終投票を行い、大賞を決定した。第1位は『だるまさんが』(作:かがくいひろし/ブロンズ新社)、第2位は『はらぺこあおむし』(作:エリック・カール、訳:もりひさし/偕成社)、第3位は『ぐりとぐら』(作:なかがわりえこ、絵:おおむらゆりこ/福音館書店)、第4位は『こんとあき』(作:林明子/福音館書店)、第5位は『めっきらもっきらどおんどん』(作:長谷川摂子、絵:ふりやなな/福音館書店)。

 また「園児さんと先生でえらぶ! よみきかせ絵本部門」では、全国2,000の保育施設が参加し、出版社おすすめの新刊絵本20冊をよみきかせした上で投票が行われた。第1位は『ニンジンジン』(作:キューライス/白泉社)、第2位は『きょうりゅうかくれんぼ』(アレックス・ラティマー、訳:聞かせ屋。けいたろう/KADOKAWA)、第3位は『ぎょうざが いなくなり さがしています』(作:玉田美知子/講談社)、第4位は『おかしのまちのおかしなはなし』(作・絵:いわさきさとこ/フレーベル館)、第5位は『さんかしちゃうえほん くるよくるよ』(作:丸山誠司/くもん出版)。

■「何よりも喜んでいるのは、天国にいる作者」絵本大賞の浸透を願って

 『だるまさんが』の作者・かがくいひろし氏はすでに故人となっているが、出版元のブロンズ新社がかがくい氏の生前の言葉を紹介し、「私たちは本当に大きな贈り物をいただいたと思っています。今日何よりも喜んでくださっているのは、天国のかがくさいさんだと思います。素晴らしい賞をありがとうございました」と述べた。

 『ニンジンジン』の作者・キューライス氏は、「『うちの子はニンジンが嫌いだったけど、この絵本を読ませてから大好きになりました』というお手紙が届くんじゃないかと思ったのですが、まだ届いてないので(笑)、これから届くことを期待しています。ニンジンジンの次はダイコンコン、その次はレンコンコン、トマトントン…そのような”リズムお野菜絵本作家”としてこれから邁進していきたいと思います」とユーモアを交えてコメント。その直後、出版元の白泉社から「実は来年の春に『ダイコンコン』が出版されます。ぜひその絵本と一緒に、これからも『ニンジンジン』を楽しんでいただけたらと思います」との発表もあった。

 この後、北海道、埼玉県、山口県の3つの幼稚園・保育園の子どもたちがオンラインで参加。ここで”1位絵本のよみきかせ”として、実行委員の金垣秀幸氏が『だるまさんが』を、キューライス氏が自ら『ニンジンジン』のよみきかせを行った。子どもたちから「楽しかった」などの感想コメントが寄せられ、会場全体が温かい空気に包まれた。

 今回の入賞作品に関しては、10月25日から約1ヶ月間、全国の書店でのコーナー展開や、よみきかせイベントを実施。実行委員の奥村景二氏は「現在400店舗の参加が決まっていますが、1,000店舗を目標に展開していきたい」と宣言した。さらに絵本ナビ、くらしと生協でのウェブ販売なども予定されている。

 この「みんなのよみきかせ絵本大賞」は2年に1回の開催で、次回は2027年に投票を開始し、2028年に大賞を発表するという。実行委員の大見英明氏は「目標として、本屋大賞に勝てる絵本大賞になったらいいなと。そしてこの賞が、これから絵本作家を目指す皆さんにとっても大きな励みになることを期待しています」と、奥村氏は「ようやく生まれたばかりの大賞。これから大きく育っていってほしいと思います」と今後の展開に期待を込め、授賞式を締めくくった。

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