連続ドラマW-30『ストロボ・エッジ Season1』場面カット (C)WOWOW
俳優・福本莉子と高橋恭平(なにわ男子)がW主演し、10月31日午後11時からWOWOWで放送・配信スタートする連続ドラマW‐30『ストロボ・エッジ Season1』。漫画家・咲坂伊緒氏による大ヒット作品が初の連続ドラマ化され、2シーズンにわたり、ヒロイン・木下仁菜子(福本)、仁菜子の初恋の相手・一ノ瀬蓮(高橋)、周囲の友人たちの恋模様を丁寧に描く。福本と高橋の関西出身の2人が息ぴったりに今作の魅力や撮影裏を語った。
【ソロカット】かっこよすぎる!ジャケット姿でランウェイする高橋恭平
『アオハライド』『思い、思われ、ふり、ふられ』などのヒット作を世に送り出した咲坂氏の原作は、真っ直ぐで切ない初恋の気持ちを丁寧に描いた純愛ストーリーとして多くの人々の憧れと共感を集め、全10巻で累計発行部数800万部(※電子版を含む)を突破。
高校生・仁菜子は、まだ恋という感情を知らずに日々を過ごしていた。そんなある日、帰りの電車で同級生の蓮と出会い、しだいに蓮の秘めた優しさに惹(ひ)かれていく。胸に何か刺さったみたいに苦しくなる仁菜子だったが、日に日に蓮への想いが積もりはじめ…。やがて、その想いが“恋”であることを自覚した仁菜子は、意を決して蓮に想いを伝えるが――。
■接近シーンはミリ単位まで追求 原作リスペクトでこだわり「細かいところまで漫画を見ながら」
――出演が決まった時の素直なお気持ちを聞かせてください。
福本:学生時代に初めて読んだ少女漫画が『ストロボ・エッジ』でした。大好きな作品のひとつです。私にとっての青春漫画。まさか自分が仁菜子を演じるとは思っていなかったので、ものすごく驚きました。
高橋:いや、すごいです…全部僕が言いたかったことを言ってくれました!僕も出演が決まった時は率直にうれしかったです。まず、“一ノ瀬蓮”って役名がカッコいいですよね。僕の憧れている先輩が“永瀬廉”くんなので、“れん”つながりがめっちゃうれしかったですし、もちろん『ストロボ・エッジ』は、これまで実写化作品を演じさせていただいた中で勉強として触れたことのある作品だったので、「まさか自分がやることになるとは」といった感覚でした。
――真っすぐな仁菜子と、クールに見えて優しい蓮の魅力を実写として引き出すためにそれぞれ意識されたことはありますか。
福本:蓮くんに恋をして今まで知らなかった感情と出会い成長していく姿がすごく丁寧に描かれているので大切に演じました。
――仁菜子はとてもピュアですよね。
福本:すっごくピュアです。“恋ってなんなの?”って友達に聞くのがもうピュアでかわいらしくて。そこに素直に答えてくれるさゆりがいて、2人の友情にも注目してもらえたらうれしいです。
高橋:蓮はそこまで口数が多いキャラではないからこそ、一つひとつの表情や、他の人ではなく仁菜子だけにふと見せる表情は良いギャップなのかなと。演じていても楽しかったです。裕太郎や学といる時の蓮は男子高校生らしい素の笑顔が見えますが、仁菜子に対する笑顔とはまた違って、いろいろと試行錯誤して演じていました。
――相手によって見せる表情が違いますね。
高橋:少しずつ違う表情を見せる蓮が楽しくもあり、すごく難しかったですね。
――人気漫画の実写化だからこそこだわったこととか、難しかったなと思うところをお願いします。
福本:セリフは原作通りのところも多く、世界観を表現することはすごく難しかったですね。実際に演じてみた時に違和感が出ないよう、仁菜子の持つ真摯さを大切に演じました。
高橋:福本さんがおっしゃる通り、原作そのままのシーンが多くて、照れてしまうようなシーンが多いんです。でも『ストロボ・エッジ』だからこそ大丈夫というか。原作と同じようにできるかな? どうしようとは読んでいても思いましたし、本当にこういう青春・実写化系の作品で今までで1番難しかったですね。
福本:本当ですか?これまでもいろいろな作品に出て出演されていましたけど…。
高橋:これまでも照れるシーンは、いろいろ演じさせてもらいましたけど、できてるかな? と悩むシーンが多かったです。
――お互い芝居しながらすり合わせたりしましたか。
福本:手の位置や掛かり具合いなど、動きの細かいところまで原作を参考にしながら演じていました。
高橋:予告にもありますが、仁菜子を電車で仁菜子を覆っているシーンは繊細に演じました。
福本:頭の位置がちょっと変わるだけでだいぶ見え方が変わるので、ミリ単位でやってました。
高橋:ミリ単位すぎて、足踏んだりしてましたよね。「ごめん、ごめん、足踏んだ」って(笑)。
――手の位置まで忠実にということで、原作の表情などもご自身で参考にしたりしましたか。
福本:特にコメディシーンなどは表情とかを参考にさせて頂きました。
高橋:蓮は表情がめちゃくちゃ変わるキャラでもないので。大きく笑うことはそこまではないけど、仁菜子の前と(恋人の)麻由香の前とで、笑顔のちょっとした差が大事だったので、原作を見ながら勉強しました。
――本格青春ラブストーリーということで観ていてもドキドキするシーンがたくさん詰め込まれています。お二人が視聴者の方に楽しんでいただきたい、個人的に刺さったシーンがあれば教えてください。
福本:私は図書館のシーンがすごく好きです。学校で2人きりになり、勉強を教え合う空間に青春を感じました。あのシーンの照明がすごく綺麗で、『ストロボ・エッジ』のタイトル通り、すごく神秘的な演出になっていて、これは映像だから表現できることだなと思いました。
高橋:僕は、電車の中のシーンですね。蓮が寝ているフリをして、寝過ごしちゃったかのように装うシーンがあるんですけど、こういうかわいらしい行動ってリアルじゃ僕はできないので(笑)。ちょっとあざといじゃないですか。そういうあざといこともやってみたかったなって思ったりして、今だからこそ、青春っぽく思えるんだろうな。
――高橋さん自身はあざといことはできない?
高橋:あざといことは苦手ですね。本当にそういうのは僕とかけ離れた存在だと思っているので。演じる分にはもちろん楽しんでやってます。
――お互いの芝居で「これはすごいな」って内心思いながら受けていた芝居はありますか。
福本:蓮くんってすごく無口で、一見何を考えてるかわからないんです。心の動きがあっても表情にあんまり出ないところがすごく大変そうだなって見ていました。
高橋:大変でした!(笑)。
福本:私は安堂くんと一緒にいる時の蓮くんや、裏で蓮くんが何を思っていたか、映像を通して観ることでよりグッときました。物語の中で「本当は、この時こう思ってたんだ…」と切なくなりましたね。
高橋:僕は逆で、素直で仁菜子は何を考えてるか分かりやすい子やなって思いますし、いろんな男性からすごくアプローチ受ける子だなって…。
福本:そんな受けてないですよ(笑)。
高橋:そのなかで変化というか、安堂に見せる仁菜子と蓮に見せる仁菜子って全然違う。安堂とのシーンの撮影では僕はいないのですが、蓮とお互い気を遣って静かにしゃべるシーンとは違って、安堂がにぎやかな感じなんやろうなと思うと、仁菜子はいろんな恋愛をしてるなって。
福本:すごく大変なんですよ?(笑)。仁菜子はずっと蓮くんが好きで、安堂くんもそれと同等ぐらい仁菜子のことが好き。ただ、仁菜子の気持ちは蓮くんに向いているから安堂くんとのシーンは気まずかったです…。でも何度でも思いを伝えてくれる一途さがものすごくすてきですよね。蓮くんだって麻由香さんともいろいろあるじゃないですか!
高橋:麻由香ともいろいろある中で、仁菜子にも心が揺れていく蓮もそうですし、蓮と安堂の男同士の友情もそうですし…僕はそこが大好きなんです。中学時代、安堂の言葉に救われて、高校で同じ人を好きになって…みたいなバチバチ感も青春だなと思います。
■“関西”チームはイントネーションに苦戦 山下幸輝&小坂菜緒らと和やかな撮影に
――すでにお二人ともとても和やかな雰囲気ですが、最初から打ち解けていたのでしょうか。
高橋:そうですね、最初からでした(笑)。同じ関西人なんで。話しやすさがありましたね。安堂役の山下幸輝くん、さゆり役の小坂菜緒さんも関西人で、関西人が多い現場だったので、セリフで関西弁が出てしまったら指摘し合ったりして、和やかな雰囲気で撮影してました。
――お芝居のときに関西弁が出ないように、ということでしょうか。
高橋:初日は特にイントネーション問題があったんですよね。
福本:最初は敬語でお話していたんですけど、撮影の合間、地元話で盛り上がってからは関西弁で話してしまい撮影が終わらないんじゃないかというぐらいNGを出してしまって冷や汗をかきましたね(笑)。
高橋:監督を交えて、正しいイントネーションを教え合いましたよね。
福本:1回ハマるとなにが間違ってるのかわからなくて、初日だったので「これからは現場で関西弁をあまり話さないようにしよう」って思いました(笑)。
高橋:全然話していましたけど(笑)。
――福本さんから見て高橋さんの印象はいかがですか。
福本:どういう方なのか、会うまで本当にわからなかったです。お話してみるとやっぱり地元が一緒だからかすごく話しやすいですし、ボケているイメージがありました。
高橋:ボケてるかな…? 幸輝はまた別のタイプの関西人って感じでほのぼの、ゆるキャラというか。天然系関西人みたいな感じやったよね。
福本:それぞれタイプの違う関西人がそろっていて面白かったです。
――自分の理想として“こんな青春を送りたいな”だったり、今作のなかで“この青春シーンは体験してみたかった!”というものはありましたか。
福本:体育祭の応援シーンは憧れますね。私の通っていた女子校は行事ごとにとにかく真剣で、体育祭も、すごい熱量で取り組んでいたので、ドキドキなした恋愛エピソードはあまりありませんでした。好きな人の一生懸命な姿って、きっと普段よりもっとかっこよく見えるじゃないですか。応援して「キャー!」って言いたかったですね。
高橋:僕は駅のホームでのシーンがいいなと。駅のホームで、好きな人とばったり会って、隣に座るみたいな…。なかったな。立って、電車来たら、立って、ただ乗るだけの場所やと思っていたので。そこでドラマが生まれるのがこの『ストロボ・エッジ』で。僕はドラマが生まれない側の人間だったので、ドラマが生まれる側の人生も送ってみたかったなと思います(笑)。
――たしかに駅や電車は今作において恋が進むキーになってますもんね。作品のなかで疑似体験はできましたか。
高橋:はい。体験させていただきました(笑)。
――ご自身の学生時代はどういうタイプだったのでしょうか。
福本:中学時代はサッカー部だったので活発でした。あとピアノを習っていたので学校祭とかでピアノの伴奏をしたりと、行事ごとには積極的に参加するタイプでしたね。あとは関西の女子校だったので、ボケ、ツッコミの役割の子が意図しなくても分かれるんです。私はどちらかと言うとツッコミでした。
高橋:確かに、ツッコミやな。
――現場でも高橋さんがボケで福本さんがツッコミだったんでしょうか。
高橋:僕はボケてる感覚はないんですけど、でも確かに(福本さんは)ツッコミですね。すごく拾ってくれるんです。むしろ、あえて拾わないでほっとかれることもあるから、そういう高等な技術もできるんだなって…(笑)。
福本:高橋さんは、1回終わってもどんどん展開するんです。
高橋:終わらせるのが早すぎるんですよ。まだ旬なのにすぐ終わらせる。
福本:いや、1回ツッコみをいれたらそのボケは終わりなんですよ。そこからボケを転用させてくるんです。
高橋:違うよ、面白いボケが生まれたら温めてるんです。福本さんのツッコミの緩急がすごいから、こっちも欲が出ちゃうんです。
福本:あと、すごくB型いじりをしてきますね。「ほら、もう興味ない!」とか言われます(笑)。
高橋:福本さんは興味がないことがすぐ顔に出るんですよ。逆に興味があることはぶわっとしゃべり出すので、自分を見ているようだなって(笑)。
――高橋さんは学生時代どんなタイプですか?
高橋:高校生のときはめちゃくちゃ普通でした。どれだけ目立たないかを考えて生きていましたね。フッ軽ではあるので誘われたらなんでもするけど、自分からは基本動かない。できる限り目立ちたくない、後ろにいたいタイプでした(笑)。
――最後に、楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
福本:今作は特に映像美が魅力的で、作品の中でキーワードとなっている季節の”匂い“も映像を通して伝わってくるような作品になっています。
高橋:4Dではないですけどね。
福本:アトラクションじゃないですからね(笑)。画面から香ってはこないんですけど…。
高橋:でも、もしかしたら今の発言やと、香ってくるのかな? と思う方もいるかもしれない…。
福本:でも、映像を見たら目から感じるかも!?
高橋:確かに。最近は何が起こるか分からんもんね(笑)。でも本当にキャスト・スタッフみんなで、汗水流しながら、めちゃくちゃ頑張りました。皆さんに素晴らしい作品が届けられると思います。福本さんがおっしゃった通り、映像がきれいだし、令和っぽい恋愛模様も原作の良さも混ざった新しい僕らの『ストロボ・エッジ』が、皆さんに広まっていけばうれしいな、と思います。