小谷実可子、自身プロデュースのスイムショーが12月に開催 新たな挑戦に意気込み「思いっきり演技をしてもらいたい!」【連載12回目】

2025/10/14 07:00
小谷実可子、自身プロデュースのスイムショーが12月に開催
小谷実可子、自身プロデュースのスイムショーが12月に開催
 世界マスターズ選手権のアーティスティックスイミング(AS)が7月30日~8月3日までシンガポールで行われ、小谷実可子(59)が混合デュエットテクニカルルーティン、混合チームテクニカルルーティン、ソロフリールーティン、混合デュエットフリールーティンに出場。すべての種目で金メダルを獲得した。

【写真】世界マスターズ選手権の舞台で躍動した小谷実可子

 挑戦の軌跡を記す連載『生涯現役!59歳 アーティスティックスイミング小谷実可子の挑戦』の12回目となる今回は「新たな挑戦!12月にシンクロショーを開催」。『開催する理由』、『ショーの内容』、『2年後の世界マスターズ選手権挑戦継続』などについて語ってもらった。

――9月中旬からは東京2025世界陸上のアスリートナビゲーターも務めるなど忙しい日々を過ごしていますが、12月にシンクロショーを行うことが決まりました。

小谷:そうです!実は、12月17日に『ASマスターズドリームフェスティバル2025』というアーティスティック(AS)スイミングショーを行うことが決まりました。会場は、東京2020オリンピック会場の東京アクアティクスセンターメインプールで、私自身がプロデューサーとしてイベントを計画しました。

――開催に至った経緯について教えてください。

小谷:シンガポール大会に行く前、3月ぐらいから計画をスタートしました。私が実際に、国内のASマスターズ大会に出場するようになり分かったことなんですが、競技に出場するマスターズ選手たちは、同時に競技役員もやっている人が多いんです。

受付をしたり、演技の合間にプール掃除をしたり。そして、その途中に選手として演技を行い、その後には髪の毛が濡れたまま受付でお見送りをするなど、選手でありながらも競技を成立させるために、1日中動き回っています。でも、こういう方たちがいないと、大会が成り立たないのが現状です。

大変な思いをして競技を支えてくれていることに、改めて感謝をするようになりました。だからこそ、そういう方々にスポットライトを当てて感謝を伝える場所を作りたいと思ったのが、このショーを開催するに至った経緯です。

――具体的にはどのようなショーになるのでしょうか?

小谷:第一部と第二部に分かれていて、第一部は『AS愛好家やマスターズ選手の発表会』となります。開催の経緯でもお話しましたが、競技役員などの仕事を気にせず、マスターズ選手としてパフォーマンスだけに集中していただけるよう、AS以外のボランティアの方々にご協力をお願いする予定です。

加えて、ASなどのオリンピアンゲストを迎えて、演技後に総評をしてもらおうと考えています。みなさんに東京オリンピックの会場となった“夢の舞台”で、思いっきり演技をしてもらいたいです。

そして第二部は『凱旋スペシャルスイムショー』として、シンガポールで金メダルを獲得した演技を披露する予定です。歌手の方にゲスト出演していただき、生歌で演技をすることも計画しています。改めてASってすてきだな、これからも応援してサポートしたいなと思っていただけるようなスイムショーにしたいです。

昨年3月に品川プリンスホテルのプールを使用して、能登半島地震復興支援スイムショーを行いましたが、その時は70席程度でした。しかし今回は、プールサイドに180席程度を用意します。第一部は無料となり、第二部はチケット制になります。それ以上の申し込みがあった場合は、2階席も開放して多くの方に見ていただくようにできればなと考えています。

――『ASマスターズドリームフェスティバル』は今後も毎年開催される予定でしょうか。

小谷:今回だけの打ち上げ花火ではなくて、継続して毎年行いたいと思っていて、既に2026年12月にここ(東京アクアティクスセンター)を予約しています。

今回はシンガポールだったから、移動距離も含めて日本から行こうという人が多かったと思います。世界マスターズ選手権は新型コロナウイルスの影響もあり、九州大会、ドーハ大会、シンガポール大会と毎年行うことになりましたが、次は2年後で会場はハンガリーのブタペストになります。

高齢の方は2年後、さらにヨーロッパとなると、遠征するだけでも大変な挑戦になるなかで、どこまでの人が目指せるのかわからない。だからこそマスターズ選手たちが、目標にできるような舞台を作りたいんです。毎年年末に向けて、“あの大会があるから頑張ろう!”と思ってもらえるようなイベントにしていきたいです。

――次の世界マスターズ選手権(ブタペスト)は2年後になりますが、挑戦は続けていきますか?

小谷:私自身、今後も世界マスターズ選手権の挑戦をずっと継続していこうと考えています。挑戦しない自分が想像できないんですよね。具体的にどの曲で泳ぐとか、どの種目に出場するとかは決まっていませんが、いろいろな動画を見て、こういうのに挑戦したいかもとか、ワクワクしながら考えています。

ちなみに金メダルの数を狙うのは、今大会が最後だと思います。次回からは、種目を絞って、クオリティをさらに上げた演技を見せられればと思っています。でもソロは、出場しないかもしれません(笑)。さんざんソリストと言ってきたんですが、やはりミックスデュエットやチームみたいに、仲間と切磋琢磨して高めあうというのが楽しくて、そちらに重点を置きたいな、と思っています。

そのような中2026年は国際大会がなく、2027年に世界マスターズ選手権がブタペスト(7月または8月)、その前には関西でワールドマスターズゲームズ(5月)が開催される予定で、そこにも挑戦しようと思っています。

来年は2027年を見据えた国内大会やエキジビションに出場しながら、身体作りやコンディションを維持できればと考えていますし、『ASマスターズドリームフェスティバル』なども含めて、演技ができる機会を創出しながら、ASの魅力を発信したいなと思っています。いろいろな計画を考えていますが、まずは年末のイベントに多くの方が来場してくれることを楽しみにしています!

■小谷実可子(こたに・みかこ)
1966年8月30日生まれ、東京都出身。ソウルオリンピックでは夏季オリンピック初の女性旗手を務め、ソロ・デュエットで銅メダルを獲得。1992年に現役引退。東京2020招致アンバサダーを務めるなど国際的に活動。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、スポーツディレクターに就任するなど幅広く活躍。日本オリンピック委員会 常務理事(JOC)、世界オリンピアンズ協会 副会長(WOA)、日本オリンピアンズ協会 会長(OAJ)など、15の役職をこなしながら、2025年7月に開催された世界マスターズ水泳選手権(シンガポール大会)で、4つの金メダルを獲得した。

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