ロンドンのスクーターギャングを描いた青春クライムアクション映画『ガスト・アップ』公開決定

2025/10/14 09:46
ロンドンのスクーターギャングを描いた青春クライムアクション『ガスト・アップ』12月12日公開 (C)GASSED LIMITED 2023
ロンドンのスクーターギャングを描いた青春クライムアクション『ガスト・アップ』12月12日公開 (C)GASSED LIMITED 2023
 英ロンドンのスクーターギャングを描いた青春クライムアクション映画『ガスト・アップ』(原題:GASSED UP)が、12月12日より東京・シネマート新宿ほか全国で順次公開されることが決定した。社会問題として注目される“スクーター犯罪”を題材に、UKヒップホップが鳴り響く中で、若者たちの葛藤と疾走を描く。

【動画】映画『ガスト・アップ』予告編

 本作は、ロンドンで生活のために窃盗を繰り返す若き“スクーターギャング”たちの姿を通して、貧困や移民、家庭環境といった現代社会の闇を浮き彫りにする。2017年以降、イギリスではスクーターや電動バイクを使ったひったくり・強盗が急増し、社会問題化。スマートフォンの窃盗事件など、今なおその被害は深刻だ。
本作では、犯罪に追い込まれる若者たちのリアルな姿を、UKドリルやグライムといったストリート音楽と共に、スリリングかつ情熱的に描き出す。

 監督は、これまでドキュメンタリー作品で高い評価を得てきたジョージ・アンポンサ。2011年のイギリス暴動のきっかけとなった警察によるマーク・ダガン射殺事件を扱った『The Hard Stop』(2015年)、黒人解放運動を描いた『Black Power: A British Story of Resistance』(21年)で英国アカデミー賞にノミネートされた注目のフィルムメーカーだ。本作で初の長編劇映画に挑戦し、「第67回BFIロンドン映画祭」では観客賞を受賞する快挙を果たした。

 主人公アッシュを演じるのは、イギリスのクライムドラマ『ブルー・ストーリー』で注目を浴びたステファン・オドゥボラ。さらに、Netflixシリーズ『ONE PIECE』でサンジ役を演じ、一躍世界的に注目を集めたタズ・スカイラーがスクーターギャングの一人として出演。脚本もアーチー・マドックスと共に執筆し、俳優・脚本家の二面性で作品を支えている。

 そのほか、2023年ユーロヴィジョン・ソング・コンテストUK代表の歌手メイ・ミュラーや、世界的ラッパーのニッキー・ミナージュに見出されたMs Banks、人気YouTuberのハリー・ピネロらがゲスト出演。現代ロンドンのストリート文化を象徴する面々がそろった。

 劇中では、Benzz「Je M’appelle」をはじめ、AitchやDigga DらによるUKドリル、グライムの楽曲が次々と登場。エレクトロニック・デュオJoy(Anonymous)のヘンリー・カウンセルが手がけた劇伴が、若者たちの疾走と焦燥をエネルギッシュに彩る。

 解禁された予告編では、Benzzのビートとともに疾走感あふれるバイクアクション、犯罪の緊張、若者たちの葛藤や欲望が交錯する世界が映し出される。「やり切ればなんでも手に入る」と甘い言葉がささやかれたあと、宝石店で強盗をする様子が映し出され、指示役のシャズから「どんな方法でもいい、仕事は完遂するのよ」と迫られるアッシュたち。生活のため犯罪に手を出した、彼らの行きつく先とは……。

 ジョージ・アンポンサ監督からは次のようなコメントが到着している。

 「日本で『ガスト・アップ』が公開されることに、とてもワクワクしています。私にとって長い旅のようでした。ドキュメンタリー制作から始まり、本作が初めての劇映画です。大きな挑戦ではありましたが、物語における“真実味”や“リアリティ”といった学んできた全てを、新たな映画表現の領域へと昇華させる機会にもなりました。

 キャストやスタッフがいなければ、やり遂げることはできませんでした。彼らのエネルギー、創造力、献身が、この作品に命を吹き込んでくれました。

 スリルと犯罪を描く映画として始まった本作は、次第に、愛や忠誠心、そして生き抜くことについての物語へと変化していきました。それをスクリーンの中にしっかりと映し出せたことを、とても誇りに思っています。

 日本の観客の皆さんにも、この物語を視聴いただけることをうれしく思います。本作が皆さんの心にも届き、新たな対話が生まれるきっかけになればうれしいです」

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