LDKの向こうに見える図書室=東京都小平市・佐藤邸(C)テレビ朝日
俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日系の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜 前4:25)18日放送では、開放的LDKと籠もれる図書室がある家「東京都小平市・佐藤邸」を紹介する。
【写真】豊かな植栽が出迎えるアプローチ「東京都小平市・佐藤邸」
佐藤邸は、約10メートルのアプローチを抜けた先に建つ、静かな住宅街の中の一軒家。竣工から6年を経て、豊かに成長した前庭の植栽が来客を柔らかく出迎える。
玄関に入ると、まず目に飛び込むのは約5メートルの吹き抜け。階段までをひとつの空間として構成し、上部の高窓から自然光がたっぷりと注ぎ込む。さらに隣接する子供室の障子を開け放てば、縦にも横にも広がる大空間に早変わり。玄関と子供室を仕切るのは、横桟のないオリジナル障子戸で、和の趣を感じさせる。
子供室の西側には大きな窓が設けられ、外の庭木が窓一面を彩る。窓際には横長の造作デスクが置かれ、頭上は2階へとつながる細長い吹き抜け。家のどこにいても、家族の気配を感じられる設計だ。
2階のLDKは、東西に視界が抜ける開放的な空間。東側には緑地の借景が広がり、西側にはアプローチを見下ろす眺めが楽しめる。天井は漆喰で塗り上げられたゆるやかな曲面構造で、光がやわらかく反射し、時間帯ごとに異なる陰影を生み出す。
LDKに隣接するのは、家族が集う籠もり感のある図書室。一段下げた床に畳を敷き、壁や天井を深い茶色で統一。明るいLDKとは対照的に、落ち着いた“静”の空間を演出している。1階の寝室は、細長い平面の畳敷き空間。隣接するウッドデッキテラスへと続き、庭木に囲まれたプライベートな癒しの場所となっている。
竣工:2019年9月
敷地面積:122.5平方メートル(37.1坪)
建築面積:45.7平方メートル(13.8坪)
延床面積:85.8平方メートル(26.0坪)
構造:木造在来工法
設計:青木律典/デザインライフ設計室