「映画『港のひかり』ジャパンプレミアin輪島 ~能登に元気を~」に登壇した舘ひろし
映画『港のひかり』ジャパンプレミアが18日、石川県輪島市の朝市通りで開催され、映画に出演している俳優の舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀が登壇した。
【集合ショット】撮影で訪れた輪島に思いを馳せた舘ひろし&眞栄田郷敦&尾上眞秀ら
本作は、映画『正体』(2024年)で数々の映画賞を受賞した藤井道人監督と、日本を代表するキャメラマン(撮影監督)・木村大作が初めてタッグを組んだ完全オリジナル作品。北陸の港町を舞台に、過去を捨てた元ヤクザの漁師・三浦と、目の見えない少年・幸太の十数年にわたる友情と再会を描く感動作。11月14日公開予定。
撮影は2023年11月から12月まで長期にわたって石川県、富山県を舞台に敢行。輪島市にも何度も訪れ、多くの地元の方々の協力を経て、本作の完成に至った。そういった経緯から、石川や富山の方々への恩返しの一環としてこの輪島の地でジャパンプレミアが開催された。
第1部では、輪島市街地(朝市通り)に舘、眞栄田、尾上が再訪。輪島市の坂口茂市長も合流し、24年元旦の能登半島地震によって焼失して何も無くなってしまった朝市通りへ赴いた。この朝市通りで撮影が行われたのは、舘演じる元ヤクザの漁師・三浦と、盲目の少年・幸太(尾上)がおそろいで魚のキーホルダーを購入するシーン。舘らキャスト陣と坂口市長は、このシーンの撮影に協力したお店などがあった朝市通りを歩いた。
舘は「能登半島地震が起こって以来、初めて来ました。朝市がこのような状態になっているとは夢にも思っていませんでしたが、これからの復興を心から願っています」と話し、尾上は「撮影以来、輪島へ来たのは初めてですが、こんな状態になっているとは思っていなかったので驚きました」と話した。
取材会で、「再訪されて感じたこと、震災後の朝市通りを目にした時の心情」について問われると、舘は「当時(撮影で見た)朝市通りの記憶と今の状態がまったく違っていたので、大変ショックを受けました」と複雑な思いを吐露。「本当に何もなくなってしまったんだな、と。道路を歩いてみても隆起していたり、改めて大変な地震だったんだなと心から感じました」と率直な感想を口にした。
昨日から輪島に訪れていたという眞栄田は「想像していた以上にまだまだ復興途中なんだなと身に沁みて実感しました。ですが、接していただく街の方々は、前向きで明るくて。逆に力をいただいたなという印象です」と地元の方の温かさを伝えていた。
尾上は輪島に降り立った時からその景色に驚いていたそうで、「空港から(ここまで)来る道もデコボコしていたり、降りてみた時も“ここだっけ?”と思いました。こんなに(撮影の時に目にしていた建物が)なくなっているんだなと、すごく驚きました」と感想を明かしていた。
「被災地に対して、今後に向けて思うことや願うこと」についての質問が及ぶと、舘は「まずは元のような活気を取り戻していただきたいです」と思いを寄せた。そんな舘の言葉頷きながら聞いていた眞栄田も「この映画がみなさんの力になれるかは分からないのですが、少しでもみなさんの励みや支えになれば嬉しいなと思います」と寄り添い、「この滞在中に今後について何ができるか模索できたらいいなと思います」とコメント。尾上も「まずは元通りになることが一番だと思いますが、またそこからさらに発展して行けたらいいのかなと思いました」と語った。
最後は、輪島での撮影中の思い出や印象的なエピソードについての質問が。舘は「美味しいクロワッサン屋さんを見つけて。僕はそこのクロワッサンが日本中で一番好きで、それが楽しみでした」と笑顔を見せる。「そのお店を見つけたのが輪島を去る4〜5日前だったで、もっと早く出会えていたら思いますが…日本一のお店だと思います」と愛を明かし、和ませた。
輪島での撮影期間はそこまで多くなかったという眞栄田も「食べ物はすごく美味しいなという印象でした」と振り返る。「僕は(輪島で撮影に参加したのは)港のシーンだけではありましたが、その景色がすごく美しくて。情緒もあって素敵な場所だなと感じました」と思いを巡らせた。
尾上は「僕はスタッフさんと毎日一緒に遊んでいました。ホテルでゲームをしたり野球をしたりして楽しかったです」とほほ笑ましいエピソードを披露。そんな尾上について舘は「(尾上と)一緒に船に乗るシーンがあって。(船に乗る前、尾上は)酔いそうな様子もあったんですが、実際に乗ってみると全然平気そうで。頑張っていましたよ」と称えた。
最後には本作の撮影にも協力している大沢漁港の方々とも記念撮影を行うなど、最後まで地元の方々への感謝が込められた再訪となった。