鎌倉らしい谷戸の立地=神奈川県鎌倉市・上岡邸(C)テレビ朝日
俳優・渡辺篤史が案内役を務めるテレビ朝日系の人気番組『渡辺篤史の建もの探訪』(毎週土曜 前4:25)25日放送では、神奈川県鎌倉市に建つ「鎌倉の景色を取り込んだ家 ―上岡邸―」を紹介する。
【写真】豊かな植栽が出迎えるアプローチ「東京都小平市・佐藤邸」
今回の住宅は、鎌倉らしい谷戸(やと)と呼ばれる丘に囲まれた地形に建つ個性豊かな住まい。3つの箱を少しずつ角度をずらしながら連結させたような独特の形状が特徴で、外からはまるでひとつの塊のようにも見える。前面道路からは窓が見えない造りになっているが、内部は想像を超える開放感に満ちている。
玄関を入ると、まず目に飛び込むのは大きな吹き抜けのワンルーム空間。内部では3つの箱が立体的に組み合わさり、それぞれの内部や上部に異なる機能の空間が割り当てられている。2階には、箱ごとに高さの異なる3つの床レベルが設けられ、最も低い箱にキッチン、中間にダイニング、そして最も高い位置にリビングが配置されている。キッチンレベルからはバルコニーへ出ることができ、鎌倉の自然を身近に感じられる設計だ。
周囲には隣家があるものの、巧妙に配置された窓によって外からの視線を感じさせない一方、抜群の眺望を確保。床の段差を生かした大容量の収納など、機能面の工夫も光る。
1階には、坪庭に面した洗面・浴室スペースを設置。3つの個室はすべて出入り口にドアを設けず、空間のつながりを重視した構造ながら、レイアウトの工夫によってプライバシーも確保されている。
竣工:2020年9月
敷地面積:230.7平方メートル(69.8坪)
建築面積:76.9平方メートル(23.3坪)
延床面積:119.7平方メートル(36.2坪)
構造:木造在来工法
設計:早坂直貴/邸宅巣箱