Zoff、江口寿史氏イラスト使用について調査報告を公表 4点中2点のイラストに「権利者から許諾を得ないまま参考に制作したとの説明」【報告全文】

2025/10/24 13:08
江口寿史氏 (C)ORICON NewS inc.
江口寿史氏 (C)ORICON NewS inc.
 メガネブランド『Zoff(ゾフ)』が24日、公式サイトで、2018年に実施したキャンペーンにおいて使用したイラストについての報告を発表した。

【報告文】トレパク疑惑の結果は…Zoffが声明を発表

 江口氏のイラスト騒動は、ルミネ荻窪『中央線文化祭2025』(10月18日・19日開催)の告知ビジュアルが発端。SNS上に投稿された写真を事前の承諾なくモデルとして使用し、イラストを制作していたことをめぐり、関連して騒動が続いているもの。

 ルミネ荻窪『中央線文化祭2025』に関しては、当事者の間で問題解決しているが、こうした経緯がSNSで騒ぎとなり、ルミネ荻窪は同日、「2025年10月18日(土)、19日(日)に開催を予定しております『中央線文化祭』の 告知ビジュアルに関して、制作過程に問題があったと判断し、必要な確認が完了するまでの間、該当ビジュアルを一時的に撤去させていただきます」と説明。さらに、江口氏が過去にイラストを手がけたデニーズ ジャパンも声明を出すなど対応に追われていた。

 Zoffは、2018年に実施したキャンペーンで江口氏に依頼し制作。同年9月から12月にかけて全国のZoff店舗において、店頭POP、ポスター、メガネ拭き、ショッパーなどの販促物に使用していた。

 この件の調査結果として同社は「江口氏からは、当時納品されたイラスト4点のうち、SNS上で指摘のあった2点について、雑誌に掲載された写真を、モデルの方ご本人や撮影者、出版社などの権利者から許諾を得ないまま参考に制作したとの説明がありました」と報告。「制作当時、その経緯ついて広告代理店および当社への報告はありませんでした」とした。

 続けて「モデルの方、所属事務所ならびに出版社には、当社より経緯を説明のうえ謝意をお伝えし、ご宥恕(ゆうじょ)くださいました」と謝罪し、「補償については、江口氏、広告代理店および関係者間で協議を進めることとなっております。当社としても、江口氏および広告代理店に対し、誠意ある対応を取るよう働きかけを続けてまいります」と対応をつづった。

 また、同社は自社の方針についても「本件について、江口氏の創作活動や表現手法そのものを否定するものではありません。トレースや写真を参考にすることは、イラスト表現の一つとして尊重されるべきものであり、問題の本質は、制作過程において権利への配慮が不足していた点と、権利許諾の確認および報告の手続が不十分であった点にあります」と記した。

 そのうえで、「今後は、同様の事案が再び発生しないよう、広告制作における権利関係の確認や管理体制の見直しを進め、再発防止策を講じてまいる所存です」と再発防止を伝えた。


■報告全文

江口寿史氏制作イラストに関するご報告

2018年に実施したキャンペーンにおいて使用したイラストに関し、制作経緯についてのご指摘を受け、事実関係の調査を行いました。その結果と今後の方針を以下のとおりご報告いたします。

▼経緯について

当該イラストは、2018年に実施した当社キャンペーンにおいて、広告代理店を通じてイラストレーターの江口寿史氏に依頼し、制作されたものです。描き下ろし作品として納品され、2018年9月下旬から12月中旬にかけて、全国のZoff店舗において、店頭POP、ポスター、メガネ拭き、ショッパーなどの販促物に使用されました。

2025年10月4日、当該イラストのモデルとされる方がSNS上で発信を行い、イラストが特定の写真をもとに制作された可能性があるとのご指摘がありました。

▼調査結果について

ご指摘を受け、江口氏および広告代理店など関係各位に対して調査を実施しました。その結果、江口氏からは、当時納品されたイラスト4点のうち、SNS上で指摘のあった2点について、雑誌に掲載された写真を、モデルの方ご本人や撮影者、出版社などの権利者から許諾を得ないまま参考に制作したとの説明がありました。

また、制作当時、その経緯ついて広告代理店および当社への報告はありませんでした。残る2点のイラストについては、江口氏の知人をモデルとし、ご本人が撮影した写真をもとに制作されたことを確認しております。

モデルの方、所属事務所ならびに出版社には、当社より経緯を説明のうえ謝意をお伝えし、ご宥恕くださいました。補償については、江口氏、広告代理店および関係者間で協議を進めることとなっております。当社としても、江口氏および広告代理店に対し、誠意ある対応を取るよう働きかけを続けてまいります。

▼当社の方針について

本件について、江口氏の創作活動や表現手法そのものを否定するものではありません。トレースや写真を参考にすることは、イラスト表現の一つとして尊重されるべきものであり、問題の本質は、制作過程において権利への配慮が不足していた点と、権利許諾の確認および報告の手続が不十分であった点にあります。

今後は、同様の事案が再び発生しないよう、広告制作における権利関係の確認や管理体制の見直しを進め、再発防止策を講じてまいる所存です。

本件により、モデルの方をはじめ、関係者の皆さまにご迷惑とご不安をおかけしましたことを、心よりお詫び申し上げます。

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