楳図かずおさん最期の新作収録の『ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX』発売決定
2024年10月28日に88歳で亡くなった漫画家・楳図かずおさん最期の新作が、11月28日に発売されることが決定した。2022年に「楳図かずお大美術展」で発表された、楳図さん27年ぶりの新作で最期の作品となった『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』と、『わたしは真悟』の全扉絵を集めた一冊『わたしは真悟 扉絵全集』の2冊セットとなっており、『ZOKU-SHINGO COMPLETE BOX』として発売される。
【画像】怖すぎる色使い&絵のタッチ!楳図かずおさん最期の新作ページ
これは2026年に楳図さんが生誕90周年を迎えることから、生前に構想していたプロジェクトの一環として実施されるもの。『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』は、楳図さんが生前構想していた最期の新作で、「楳図かずお大美術展」で発表された「着彩画」101点に加え、圧倒的な線画で構成された「素描」101点も収録した完全版。全てのページを原画と照らし合わせ最高精度の質感・色を実現させた。
『わたしは真悟 扉絵全集』は、初公開の「完全未発表原稿」を3枚収録。4色原稿、2色原稿も全て収録し、全てのページを原画と照らし合わせ、細かい線まで完全再現している。
A4特大サイズの大きい絵だからこそ見えてくる、楳図さんのこだわり、魂の筆致、色味、質感、細かい線…1ページずつ、徹底的にこだわりぬいた2冊セットになっている。価格は9000円。
また、90周年プロジェクトは今後様々な形で展開予定で、楳図さんが生前刊行を強く望んでいた、「B5 判雑誌サイズ」での愛蔵版シリーズ、「UMEZZ AUTHENTIC COLLECTION」が刊行。第1弾はSF漫画の金字塔『漂流教室』。連載時の貴重な扉絵も多数収録される。
さらに、第53回アングレーム国際漫画祭にて、楳図さんの回顧展「楳図かずお 恐怖を祓う」が開催決定。楳図さんは、2018年に仏・アングレーム国際漫画祭で『わたしは真悟』(フランスでは Lezard Noir 出版より刊行)が遺産賞を受賞したのをきっかけに『ZOKU-SHINGO』を描き、27年ぶりに画業に復帰していた。その運命的な地で、楳図さんの魂のこもった原画約170点を展示予定で、楳図作品の原画展は、約30年ぶりの開催、海外では初となる。2026年1月29日〜3月15日にアングレーム市立美術館で開催される。
楳図さんは1936年、和歌山県高野山に生まれ、奈良県で育つ。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時、『別世界』『森の兄妹』をトモブック社から単行本で出版し、デビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮。作中のギャグ“グワシ”は社会現象となった。
このほか、『おろち』『洗礼』『わたしは真悟』『神の左手悪魔の右手』『14歳』など、数多くのヒット作を生み出す。2022年、27年ぶりの新作『20KU-SHINGO』を発表。その他、タレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、さまざまなジャンルで活躍。75年『漂流教室』ほかで第20回小学館漫画賞受賞、18年『わたしは真悟』で仏・アングレーム国際漫画祭「遺産賞」受賞、19年文化庁長官表彰受賞、23年第27回手塚治虫文化賞・特別賞受賞。