角川漫画学習シリーズ『日本の歴史』一部内容を修正・変更
KADOKAWAは10日、角川漫画学習シリーズ『日本の歴史』の累計部数が1000万部を突破したことを発表した。あわせて刊行10周年を機に『日本の歴史』1~15巻の記述や作画を最新の歴史研究に合わせてアップデートしたことを報告した。
【画像】掲載されたジェンダー表現の内容 修正・変更ページ
同シリーズは、2015年に子どもたちに楽しくわかりやすく学べる学習漫画として誕生し、サイズや絵柄などを工夫し発売直後から好評で、刊行の翌年から現在に至るまで売上第1位を更新し続けている。
アップデートされた部分は、具体的に1巻の場合は、全般的にジェンダーバランスを見直した。旧版では画面に現れる男女の人数において男性に偏りがあり、また、弥生時代の描写において、狩猟=男性、採集=女性という役割の固定化があったのを、現在の研究に基づき、性別と役割を紐づけない形に記述・作画を直した。考古学の進展により女性も戦闘に加わったことがわかってきたため、戦闘シーンに女性も入れる形にした。
第10巻は、江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉の政策「生類憐みの令」について、出した経緯を旧版では「おかしな方向に走り出す」と、悪法であるニュアンスが強い記述となっていた。しかし近年、徳川綱吉は、生命を尊重する道徳を広めようとした将軍として見直されているため、10巻52頁ではその動向を反映して、記述を変更した。
今回の変更・修正に編集部は「読者の皆様の熱いご支持に心より御礼申し上げます。今回の変更は訂正ではなくアップデートであり、これまでの『日本の歴史』が間違っていたわけではありません。きっと10年後には今回のアップデートから、さらに歴史研究は進んでいることでしょう。歴史は昔から、それが編まれた時代を映す「鏡」と表現されてきました。どうか、お手元にある『日本の歴史』を今後もご愛読いただけましたら幸いです」と説明した。