休耕地で桑栽培、養蚕から手掛け シルク成分の化粧品できた 「カイコで環境守りたい」 鹿児島・薩摩川内

2022/02/07 12:28
シルクで作った化粧品を持つ植村頼美さん(右)とスタッフ=薩摩川内市都町
シルクで作った化粧品を持つ植村頼美さん(右)とスタッフ=薩摩川内市都町
 薩摩川内市に、研究が進むカイコに注目し環境を守る事業に役立てようと活動する女性がいる。えさの桑栽培から養蚕まで手掛け、採れたシルクを主成分にした化粧品が完成。近く販売を始める。

 夫が建設会社を営む植村頼美さん(49)。飲食店を経営していた当時、カイコの遺伝子が全て解読されたことを伝えるテレビ番組を見て「さまざまな分野に活用できる可能性がある」と思った。九州大学や農研機構(茨城県つくば市)を訪ね、養蚕方法などカイコの詳細を学んだ。

 事業のために2020年8月、薩摩川内市都町にバイオアースを立ち上げた。近くの休耕地を借りて家族で整地し、桑栽培も開始。技術を習得後、社屋内で養蚕を始めた。

 人とシルクのアミノ酸の多くが同じという親和性に着目した。天然由来の化粧品などを製造するボタニカルファクトリー(南大隅町)に商品化を依頼。乾燥しない生の繭からタンパク質を取り出し主成分にした美容液や化粧水、シャンプー、リンス、クリームを作った。

 7日から3月22日まで、インターネットのクラウドファンディングサービス「マクアケ」に出展予定。その後、販路を広げていく。5商品のお試しセットは送料込み1500円。

 植村さんは「大切な環境を未来に引き継ぎたいという思いから始めた事業。地域雇用にもつなげていきたい」と話す。同社=0996(29)5205。

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