ウクライナの母と0歳の息子を会わせたい…「どうか無事で。諦めないで」 母国へ届け、日本からの祈り

2022/02/25 07:25
長男の祥緒ちゃんを抱く郡山虹夏さん
長男の祥緒ちゃんを抱く郡山虹夏さん
 ロシア軍がウクライナに侵攻した24日、同国出身で鹿児島市の郡山虹夏(にか)=ルドルフ・ヴェロニカ=さん(25)は、母国の母親(48)から「爆発の音が聞こえる」と連絡を受けた。恐れていた最悪の事態に言葉を失った。「何とか無事でいてほしい」。遠く離れる家族の安否を気遣う。

 郡山さんはウクライナ東部ドニプロ市出身。ポーランドの大学を卒業後、2016年に来日した。鹿児島市の専門学校で日本語やグラフィックデザインを学んだ。現在、日本人の夫(32)と長男の祥緒(さちお)ちゃん(0)と暮らす。

 24日午後1時ごろ、妹(13)と2人でドニプロ市都市部に暮らす母から、ロシア軍の攻撃開始を知らせるメッセージがスマートフォンに届いた。「ショックで何と返事をすればいいのか分からなかった」と振り返る。その後電話が通じ、短い時間ながら話ができた。「地方部に逃げる準備をしている。心配しないで」と気丈に語っていたという。

 間もなく日本のニュースでロシアのウクライナ侵攻が報じられ、会員制交流サイト(SNS)にミサイル攻撃の様子が次々と投稿された。「一般人がどれくらい危険なのか、全く分からない」と不安を募らせた。

 ロシアによるウクライナ東部の独立承認は侵攻の口実とだったとみる。平和が一番大事としながらも「東部の編入を許してしまうと、どんどん国がなくなっていく。ウクライナは諦めてはいけない」とし、ロシアのやり方を非難した。

 新型コロナウイルスの影響もあり、19年3月に帰国して以来、家族と会えていない。祥緒ちゃんは昨年3月に生まれたばかり。「どうか無事でいて。息子を会わせたい」と切実だ。

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