ビール製造時の廃棄物を餌に 城山ホテルが独自ブランドのウナギと牛開発 ビールかすは全量、酵母は8割再利用…SDGsにも貢献

2022/08/03 21:30
ビール酵母を餌にして育った「城山麦鰻」(城山ホテル鹿児島提供)
ビール酵母を餌にして育った「城山麦鰻」(城山ホテル鹿児島提供)
 城山ホテル鹿児島(鹿児島市)は、クラフトビールを自社で製造する過程で出るビールかすと酵母を餌に使い、独自ブランドの牛とウナギを相次いで開発した。いずれも地元企業と連携した取り組み。これまで廃棄していた副産物が削減でき、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にもつなげる。

 7月からホテルのレストランで提供している「城山麦鰻(ばくまん)」と名付けたウナギは、ビール「城山ブルワリー」の製造時に出るビール酵母を餌に使用している。3月から楠田養鰻(大崎町)で養殖を始めた。酵母量の調整や成分の検証など引き続き品質向上に取り組み、10月をめどに通販で売り出そうと準備を進めている。

 同様にビールの製造工程で出るビールかすを餌にした「城山牛」は、地元の畜産会社と連携して開発。4月にオープンしたセンテラス天文館(鹿児島市)のレストランで提供している。霜降りの風味と赤身の食べやすさのバランスがとれているという。

 ビールかすは年に約10トン、ビール酵母は約1.5トンが排出される。餌にすることで、かすは全てを、酵母は約8割を再利用できるという。

 今夏2回目となる土用の丑(うし)の日(二の丑)を翌日に控えた3日、城山観光の東清三郎社長らが塩田康一知事を表敬訪問してPRした。東社長は「養殖ウナギの生産量は日本一だが消費額は1位ではない。城山麦鰻を通して、どんどん召し上がってほしい」と話した。

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