馬毛島基地計画 防衛省、航空機騒音などに「適切に対応」 具体策踏み込まず 西之表市提出21項目に回答 市民説明は16日から

2022/08/11 09:03
馬毛島
馬毛島
 防衛省は10日、鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画を巡り、市から対応を求められた航空機騒音など21項目の確認事項に文書で回答した。「地域への影響を最小限にとどめることが重要」としながらも、各項目で「適切に対応する」といった記述が並び、具体策には踏み込んでいない。

 市上空の飛行は「緊急時を除いて、ない」とし、騒音が懸念される早朝、深夜のFCLPは「飛行経路の順守を米側に申し入れる」とした。基地運用から3年程度、騒音状況を調査することも改めて盛り込んだ。

 地域振興制度の充実については「最大限の協力」をうたったものの、従来の基地整備に伴う交付金や助成の紹介にとどまっている。

 防衛省地方協力局の田中利則次長らが市役所を訪れ、八板俊輔市長に回答書を手渡し、内容を説明した。終了後、八板市長は報道陣に「中身はこれから検討する」とし、回答への評価は避けた。田中次長は「われわれの考えはしっかり伝えられた」と話した。

 21項目の確認事項は、八板市長が計画への賛否を判断する材料としてまとめ、7月22日に同省に提出した。回答書は市と同省がホームページで公開している。

■市民説明には八板市長も出席

 西之表市は16〜22日、防衛省に提出した確認事項に対する同省回答を市民に説明する。会場はいずれも同市民会館(最大400人収容)。校区ごとに日程を指定し、八板俊輔市長は各回とも出席する予定。

 各回1時間〜1時間半程度。全12校区のうち、最も人口が多い榕城校区は2回に分けた。他の校区の説明会にも参加できる。八板市長は9月上旬にも計画への賛否を明らかにする見込み。取材に「市民の意見も重要な判断材料になる」と話した。

 日程は次の通り。

 16日午後6時 榕城(1回目)▽17日午後6時 下西▽18日午後6時 上西、国上▽20日午後6時 伊関、安納、安城▽21日午後2時 榕城(2回目)、午後6時 現和、立山▽22日午後6時 古田、住吉、中割

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