市民説明会で発言する八板俊輔市長(中央)=西之表市民会館
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備計画で、八板俊輔市長は16日、防衛省に提出した確認事項に対する同省の回答について、市民への直接説明を始めた。確認事項は基地建設が前提となっているとの指摘に「防衛省に造る意思があり、(基地が)できるなら、という前提で話さなければかみ合わない」と理解を求めた。
会場の同市民会館に約80人が参加した。質疑では、米軍機の飛行経路の逸脱など、確認事項の回答に反した場合の対応に物足りなさを訴える声が相次いだ。基地運用から3年程度実施するとされた航空機騒音調査について、八板市長は「3年の根拠がよく分からない。長期的なフォローを求めている」と、同省の回答に疑問を呈した。
終了後、計画に賛成する無職男性(74)は「市長の(計画に対する)考えを示してほしかった」と不満げに話した。反対派の無職男性(76)は「市民の考えをしっかり聞いた上で結論を導いてほしい」と求めた。八板市長は取材に「市民の生の声を参考に考えをまとめる。市民も防衛省の回答を見て、しっかり考えてほしい」と述べた。
説明会は22日まで(19日を除く)の計6日間。新型コロナウイルス対策を理由に1時間半に制限し、参加者には別途、質問事項や要望を受け付ける。市民への周知を図るため、説明会の録画は動画サイト「ユーチューブ」で公開する方針。