アンケートの主な意見
政府が8日、衆参両院の議院運営委員会で安倍晋三元首相の国葬を説明したことを受け、南日本新聞「こちら373(こちミナ)」は国葬への考えを尋ねるアンケートを実施した。予備費支出の約2億5000万円から総額16億6000万円に膨らんだ費用や、安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係の不透明さに対する批判が相次いだ。賛成派からも丁寧な説明や国会での議論を求める声が出た。
アンケートは8~10日、無料通信アプリ「LINE(ライン)」のこちミナに友だち登録した人を対象に実施、842人から回答を得た。無作為で民意を把握する世論調査とは異なる。
国葬についてどう思うかの問いに「評価できる」「ある程度評価できる」としたのは2割弱。「あまり評価できない」「評価できない」は8割超だった。
「評価できる」「ある程度評価できる」の理由では「長期にわたり国政に貢献した」との回答が目立った。
鹿児島市の50代女性は「震災後の復興や拉致被害者対応に尽力した」、薩摩川内市の60代男性は「国の安全保障体制を確立した」とたたえた。「最低限で簡素化した国葬を」(鹿児島市50代女性)「規模や経費についてオープンな議論と説明が必要」(同市40代男性)との要望もあった。
一方、「評価できない」「あまり評価できない」とした人の多くは費用に関し「新型コロナウイルス禍などで困窮する国民に使って」(同市70歳以上男性)、「自民党員や有志の寄付で賄うべきだ」(鹿屋市10代男性)など苦言を呈した。日置市の60代男性は「旧統一教会と安倍氏の関係をあいまいにしてはならない」とくぎを刺した。
国葬に否定的な意見は、こちミナが7月下旬に実施した同様のアンケート調査から9ポイントほど増えた。霧島市の50代男性は「当初額ならOKだったが、16億円となると話は別。予算の上限無しは怖い」。鹿児島市の30代男性は「旧統一教会の問題を機に賛成から反対に変わった。徹底した調査が必要」と記した。