消火活動する消防隊員ら=23日、伊佐市大口大田
23日午前5時半ごろ、鹿児島県伊佐市大口大田、郡山八幡神社の社務所から出火、木造平屋約145平方メートルを全焼した。神社敷地内に隣接する国指定重要文化財の本殿は無事だった。
社務所は氏子総代会(岡下臣廣会長)の所有。23日は3年ぶりに秋の大祭を開く予定だったが、中止になった。
伊佐湧水署によると、通行人が火の手が上がっているのに気付き、119番した。同署と消防が朝から実況見分し、出火原因を調べている。関係者によると、出火当時、社務所には誰もいなかった。
同神社は1507年以前の建立。1950(昭和25)年に国の重要文化財に指定された。本殿に国内最古とされる「焼酎」の文字が書かれた木片が残ることで知られる。
現場は伊佐市役所から約4キロ離れた国道268号太田三差路近く。実家が神社近くの同市大口篠原、満園健三さん(68)は「神社は地域にとって一番の宝。本殿に燃え移らずに良かったが、大変残念」と話した。