トイレタリー製品のプラスチック容器を分別する地域住民=薩摩川内市中郷4丁目
鹿児島県薩摩川内市の一部地域で4月から、プラスチック包装容器類のうち洗剤などのトイレタリー製品を分別し、回収する実証実験が始まった。再びトイレタリー製品として使用する仕組みづくりを目指し、花王(東京)とナカダイ(同)が来年3月まで実施する。自治体の回収ルートを活用して実験するのは全国で初めて。
回収するのはシャンプーや洗剤、化粧水などのプラスチックボトルや詰め替えパック。食品用のプラ容器と交ぜるとトイレタリーへの再生が難しいため、これまで多くが燃料として使用されてきた。
実験は、来年4月の開始を目指す薩摩川内市の資源循環拠点「サーキュラーパーク九州」の事業の一環として実施する。対象は市内の鶴峯、大明神、喜入の3自治体約1300世帯。各家庭で容器を洗って乾燥後、通常の資源物回収日にごみステーションで集める。量や洗浄具合などを分析し、住民にアンケートをして意識や行動の変化を調べる。結果を製品開発にも役立てる。
23日朝は、鶴峯自治会で最初の回収があった。住民は食品トレーなどと分けて、洗剤やシャンプーの容器を籠に入れた。有馬實自治会長(72)は「想像を超える量が集まった。住民の環境問題への意識も高まると思う」。花王の事業ESG推進部の松本彰部長(58)は「循環型社会の一つのモデルを作り、薩摩川内市を拠点に広げていきたい」と期待した。