【俳優・迫田孝也のオモ語り】愛すべき「天パ」にも存亡の危機。20代半ば、ラーメン店でバイトしていた頃はスカスカに

2024/07/21 17:03
くるくるパーマのロン・ウィーズリー、1年間ありがとね
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■「俳優・迫田孝也(鹿児島市出身)のオモ語り」=南日本新聞2024年7月14日付

 いやあ終わった終わった。ロングラン公演「ハリーポッターと呪いの子」がついに終わりました。これでようやく髪を切れます! 公演中は束ねられるくらい伸ばしていたので、やっとすっきりできます。といっても撮影が入ったりして切っちゃったりしてたんですけどね。担当のヘアメークさんにはかなり迷惑な俳優だったと思います。苦労をおかけしまして本当にすみませんでした。

 ヘアメークさんといえば、よくこう聞かれます。「この髪はパーマをかけてるんですか?」「いえ、天然です」「へぇー良いクセをお持ちですね」「えへへ(笑)」どうやら私のクセっ毛はちょうど良い塩梅〔あんばい〕のようです。でもクセっ毛の良さに気づいたのは、今から約9年前。大河ドラマ「真田丸」で使用していた半がつらがきっかけでした。生え際は地毛を使ってカツラとの境目をなじませるので、ある程度の長さが必要でした。それ以前は当時大人気サッカー選手だったデビッド・ベッカムさんのソフトモヒカン風。いや、流行〔はや〕ってたんですよ。ベッカムさんすごくカッコ良かったでしょ? 少しくらいまねしてみてもいいでしょうがよ。とにかくね、クセが出ないくらいの短髪でずっと過ごしてきたんです。ところが伸ばしてみると、思っていたよりまとまるし、セットも楽だし、役での髪型のバリエーションも増えるしですごく気に入っちゃって(笑)。今ではこの“天パ”が私のトレードマークになっているほどです。

 しかし、この愛すべき天パにも存亡の危機がありました。とあるとんこつラーメン屋でアルバイトをしていた20代半ばの頃、食生活なのか、油にまみれた職場環境なのか原因は分かりませんが、自分でもはっきり認識できるほどスカスカになりました。さすがに焦って、ドン・キホーテでトゲトゲのついた頭皮を洗うブラシを購入し、それから丁寧に自毛と向き合うこと約20年。おかげさまで今では元気に生えています。40歳を過ぎてからは白髪も増え、染めようか悩んだ時期もあったのですが、私の職業は俳優です。クセっ毛だろうが、七三だろうが、白髪だろうが、金髪だろうが、役によって自由にできる! だから今まで通りありのままに育てばいい、と思ったこの頃でした。

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