まさに南国のホタテ… 月日貝に魅了された若手漁師たちの挑戦

2024/10/18 10:00
月日貝。南国のホタテとも呼ばれる
月日貝。南国のホタテとも呼ばれる
 表は太陽のような緋色〔ひいろ〕、裏は月のようなクリーム色の美しい殻の色合いから、その名が付いた「月日貝」。南国のホタテとも呼ばれ、9月から11月にかけて旬を迎える。9月初旬に底引き網漁が解禁となったばかりだ。

 全国トップクラスの漁獲量を誇る鹿児島の中でも、多くは日置市の吹上浜沿岸で水揚げされ、地元では昔から親しまれてきた。貝柱が大きく肉厚で、濃厚なうま味が特長。シンプルに焼いても天ぷらでも美味で、洋風の味付けとも相性がいい。旬の今、しゃきっと弾力のある食感や甘みが一層増している。

 「初めて食べた時、衝撃を受けました」と話すのは、若手漁師らでつくる「吹上浜の未来を考える漁業者たち」代表の佐々祐一さん(48)。横浜市で育ち、東京で経営コンサルタントなどを経て、Iターンで夢だった漁師に。そこで月日貝の独特な味に魅了された。

 しかし、取り巻く環境は厳しい。海洋環境の変化や担い手不足などにより、近年漁獲量が減りつつある。「ただ捕れば良いというスタンスではなく、未来につながる漁業を」と地元漁業者と連携し、漁獲量の上限を設定。大きさも直径10cm以上の個体に限る。生物調査や海洋管理などにも積極的に乗りだし、前例のない月日貝の養殖にも挑戦中だ。

 「まず県内の知名度を上げ、全国への出荷につなげたい」と目標を据える。しっかり砂抜きし、最良の状態で届けようと品質管理にもこだわる。吹上浜から全国へ―。佐々さんは未来を見つめる。

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※月日貝、味わうなら…
▼ツキヒテラス
 9月に日置市の新たなスポットとして、江口浜海浜公園に隣接してグランドオープンした。美しい夕日が沈むサンセットビーチを眺めながら、名物の月日貝をはじめ、地元の新鮮な魚介をバーベキューでふんだんに味わえる。

 船をイメージしたウッドデッキにはテラス席60席を設ける。海風を感じながら浜焼きを楽しむ時間は、特別な思い出になること間違いなし。

 ゆったりとした時間を演出するため、こだわりのコーヒーも提供する。訪れた人の笑顔が絶えない施設となりそうだ。

【住所】日置市東市来町伊作田7425-16[MAP
【電話】050-8884-8899
【営業時間】11:00~日没まで(BBQ予約は12:00~16:00)
【駐車場】江口蓬莱館駐車場を利用
【休み】月・火曜(祝祭日の場合はその翌日)

フェリア602号(2024/10/19)

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