一時、南海トラフ臨時情報…震源は昨年8月と同じ日向灘、専門家は「割れ残りが動いた」とみる

2025/01/15 06:18
13日夜に起きた日向灘を震源とする地震の各地の震度(気象庁ホームページより)
13日夜に起きた日向灘を震源とする地震の各地の震度(気象庁ホームページより)
 13日夜、宮崎県で震度5弱を観測したマグニチュード(M)6.6の地震は、日向灘で周期的に地震が発生する一連の活動とみられる。日向灘の地震に詳しい専門家は「昨年8月の地震で割れ残った部分が動いた」とし、「南海トラフ巨大地震への影響はない」とみている。

 気象庁によると、今回の地震は、8月と同じプレート境界型の地震とみられる。京都大学防災研究所宮崎観測所(宮崎市)の山下裕亮助教(観測地震学)は、今回の地震が1996年12月の地震(M6.7)の震源域で発生し、昨年8月の地震(M7.1)の震源とも近いことから、「プレート内で割れ残っていた部分がずれたのではないか」と話す。

 日向灘では30〜60年周期でM7クラスの地震が発生しており、8月の地震発生後に「割れ残り」で同程度の地震が発生する可能性を指摘していた。今回の地震で断層がずれ、たまっていたエネルギーが解消されたことになるが、96年10月に発生した地震(M6.9)の震源域では地震が起きておらず、今後発生する可能性があるという。

 山下助教は「臨時情報や地震が気になると思うが、やるべきことは変わらない。日頃の備えの再確認をする機会にしてほしい」と注意を呼びかけた。

◇姶良市の70代女性が軽傷

 最大震度4を観測した鹿児島県内では、姶良市で70代女性が軽傷を負った。姶良市消防本部によると、女性は地震発生直後、自宅1階の高さ50センチの窓を開けた際に誤って外の畑に転落。首の痛み、両手のしびれを訴え、家族が119番し搬送された。

 14日午前1時15分ごろの日向灘を震源とするM4.9の地震では、鹿屋市や曽於市、霧島市、姶良市で震度2、鹿児島市や垂水市などで震度1を観測した。

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