京セラ(京都市)が、鹿児島県薩摩川内市の鹿児島川内工場内に建設した新工場の稼働を見合わせていることについて、同市は21日、京セラから稼働時期について「これまで通り2027年10月が目標」と報告があったと発表した。同日、村上潔工場長らが市役所を訪れ、田中良二市長に説明した。
市によると、新工場の内部工事は6月完成予定だが、現時点では需要低迷の影響を踏まえ稼働を見合わせるとの説明を受けた。市は目標とする27年10月までの稼働を希望すると伝えた。
京セラは南日本新聞の取材に対し、新工場で増産予定だった半導体部品の有機パッケージ需要が低迷したと説明。人手不足による内部工事の遅れも一因として、稼働時期は未定で「市況動向を注視し検討する」としていた。
新工場は同社の国内工場では最大規模で、建屋は延べ床面積6万5530平方メートル。当初は23年10月に一部操業開始予定だったが、これまで2回延期。市には昨夏、「27年10月」と説明していた。