40回全てに出場した高田忠さん=8日、指宿市営陸上競技場
8日あった第40回いぶすき菜の花マラソンは、指宿市民の声援と飲食の振る舞いを力に、6690人が南薩路を駆けた。40回全てに出場した高田忠さん(63)=鹿児島市薬師2丁目=は「手厚いもてなしが待ち遠しかった」と新型コロナウイルス禍で3年ぶりに開かれた大会を楽しんだ。
鹿児島市役所の元職員。1982年の第1回大会は、みぞれが降る悪天候に見舞われ完走できなかった。棄権した悔しさをバネに2回目以降は完走を続ける。
今回は5時間45分でゴール。1000万本の菜の花に「こんなにたくさん咲いた年があっただろうか。池田湖へ下り、開聞岳に向かって走った景色は今までで最高だった」と感無量の表情で力走を振り返った。
ボストンマラソン優勝者でヘルシンキ五輪代表の故山田敬蔵さんのペースについて行こうと無我夢中で走ったり、川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)のスピードを体感したりしたのが思い出だ。
沿道での多くの声援と、毎回楽しみにしているカツオの腹皮の差し入れに今年も元気をもらった。「市民の温かい気持ちが伝わってくる大会。また1年間練習して、来年も完走したい」と話した。