事故当時のまま撤去されていないバス=23日、鹿児島市春山町
鹿児島市春山町の県道で貸し切りバスが横転した事故で、バスを運行する九州みやび観光の本村雅樹社長(47)は24日取材に応じ、「到着時間が気になり動揺した。誤進入に気付いた後も、迂回(うかい)路があるのではと引き返さなかった」と運転手が話していると説明した。
本村社長によると、霧島市の国分高校でサッカー部の生徒を乗せ、予定より10分遅い午前6時55分に出発した。同8時ごろ、本来より手前の交差点を左折。約10分後、道幅が細くなり誤進入に気付いた。4トン車以上は通行できないとする標識もあったが「時間が気になり見逃した」という。
本村社長は「生徒がどれだけ練習してきたかと考えると心が痛い。誠意を持って対応する」と改めて陳謝。正規経路の逸脱防止策として、大型車用のカーナビゲーション設置を検討しているとした。23日に同校で保護者に事故経緯を説明。参加者から「納得できない」との意見が出たという。
事故は19日午前8時半ごろ発生。男性運転手(62)と国分高校サッカー部員30人が乗ったバスが横転し、生徒10人が搬送された。2人が腰やろっ骨を折る重傷。鹿児島西署は23日、事業所を家宅捜索し、過失運転傷害の疑いも視野に捜査している。