4等級和牛の生産技術構築 消費者ニーズに対応 鹿児島県経済連が実証試験へ

2022/03/27 12:05
 JA鹿児島県経済連は4月から、和牛の販売力強化に向け、比較的手頃な価格の4等級牛肉の生産技術の構築に取り組む。消費者ニーズに合った多様な肉を供給する狙い。直営農場で実証試験を進める。

 最高ランクの5等級より安く、サシ(霜降り)と赤身のバランスが良い4等級の牛肉は国内の量販店を中心に需要は高い。一方、高値を目指しサシが入りやすい改良が進んだことで、2013年に69%だった3、4等級の割合は20年は44%に減っている。

 実証は去勢牛50~80頭を使う。肥育期間を従来の20カ月から15カ月に短縮。サシが増える前に出荷し、肥育コストを削減する。単価の低下を補うため、採算が取れる枝肉重量が確保できるよう成長を促す配合飼料を開発。最適な給餌方法のマニュアルもつくる。

 ICT(情報通信技術)を活用し、母牛の分娩(ぶんべん)間隔短縮と子牛の死亡事故低減を図り、効率的な子牛生産も目指す。直営農場に、母牛の発情や分娩の兆候を感知する機器や、九州大などと開発中の体温を検知し体調をみる耳標センサーを導入。パイロット農場として農家に公開し、スマート農業の普及を進める。

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