世界自然遺産候補の「奄美・沖縄」 10日にも登録可否勧告 ユネスコ諮問機関

2021/05/07 23:50
世界自然遺産候補地の奄美大島の照葉樹林に生息するアマミノクロウサギ=奄美市住用
世界自然遺産候補地の奄美大島の照葉樹林に生息するアマミノクロウサギ=奄美市住用
 政府が世界自然遺産に推薦している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際自然保護連合(IUCN)」が10日にも登録可否の勧告を出すことが7日、分かった。複数の鹿児島県選出国会議員が明らかにした。

 勧告は「登録適当」「不登録」のほか、推薦国に追加情報の提出を求める「情報照会」、推薦書の再提出を求める「登録延期」の4段階で示される。

 7月16~31日にオンラインで開かれるユネスコ世界遺産委員会の審査で正式に決定するが、勧告の結果がそのまま委員会で踏襲される傾向が強く、事実上の「合否判定」とみなされている。

 「奄美・沖縄」は、大陸から取り残され独自の進化を遂げた希少動植物が多く生息する「生物多様性」が特徴。亜熱帯照葉樹林内に、アマミノクロウサギやヤンバルクイナなど絶滅の恐れがある固有種が生息する。政府は2017年にも推薦したが、18年5月に登録延期の勧告を受けて取り下げ、19年に再推薦した。

 希少種の保護など対策を強化して臨んだ20年は、新型コロナウイルスの影響で世界遺産委員会の開催が延期となり、審査が先送りとなっていた。

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