谷山緑地の遊歩道入り口にある車止めの柵=鹿児島市
「谷山緑地(鹿児島市)の防護柵が、散歩中のベビーカーや高齢者の手押し車の邪魔になっている。改装の予定はないのか」。緑地での散歩が日課という読者から、そんな声が届いた。緑地は約4キロの長さ。道路で途切れる21カ所に、腰ほどの高さがあるアーチ状の柵が2、3基ずつ設置されている。
谷山緑地は県の都市公園として1971年開設された。県都市計画課によると、柵は自動車が誤って進入するのを防ぐため、77年頃から県が計57基を順次設置した。これまで、県や指定管理者に同様の要望や苦情は寄せられていないという。
県造園事業協同組合が2005年の指定管理者制度開始以降、管理者として芝刈りや低木・ヤシの剪定(せんてい)、防虫薬剤の散布、園内清掃などに携わる。有村勝則理事長(66)は「車の進入対策は安全のために必要」とした上で、車いすの人なども念頭に置いて「バリアフリーは進めるべきだ。県と協議の上、場所によっては柵の数を減らすなど対処を考えたい」との考えを示した。
組合は21年の再指定を機に、産学官連携の再整備計画「グリントプロジェクト」を進めている。一環として家型宿泊施設を計画し、秋ごろの利用開始を目指していたが、応募者不足などで白紙に戻った。現在は新たな策を模索中という。
有村理事長は「暗くて不安といった声が多く、安全性や利便性の確保のためにも全体の再整備がどうしても必要。緑を主役に、にぎわいがあり地域の人たちに親しみを感じてもらえる公園にしたい」と話している。