大島紬と佐賀錦のドレスを提案し、最高賞を受けた鹿児島中央高校「おごじょーず」=佐賀市の佐賀城本丸歴史館
佐賀県が高校生から活性化のアイデアを募る「佐賀さいこう! 企画甲子園」で、鹿児島市の鹿児島中央高校1年生4人が最優秀企画賞に選ばれた。2023年の国体開催地を佐賀が鹿児島に譲った縁で設けられた鹿児島枠で参加。大島紬と佐賀錦という両県の伝統織物を組み合わせたウエディングドレスを提案し、両県の絆がこれからも続くよう願いを込めた。
企画甲子園は今年で5回目。佐賀18校65チーム、鹿児島3校5チームが応募。予選を勝ち抜いた佐賀8、鹿児島2の計10チームが12日、佐賀市の佐賀城本丸歴史館で最終発表に臨んだ。
鹿児島中央はチーム「おごじょーず」の上村愛莉さん、尾辻恋さん、齊藤七海さん、塩屋侑里さん。4人は世界自然遺産に登録された奄美に着目。佐賀の工芸品も調べ、金箔(きんぱく)や漆を施した和紙と絹糸を織り上げる佐賀錦を知った。伝統工芸の魅力を若い世代に伝え、後継者育成につなげようとドレスを考えた。
併せて、デザイン画コンテストを実施し、ホテルとタイアップしてレンタルする企画を提案。鹿児島純心女子短大の宮地真奈美准教授の協力を得て作品も披露し、佐賀県の山口祥義知事ら審査員をうならせた。
尾辻さんは「大島紬の落ち着いた魅力と佐賀錦の華やかさが互いを引き立て合う」。上村さんは「佐賀を知り、鹿児島についても再発見できた」と語った。
佐賀からは、地元特産で栄養価の高いコイ料理を妊産婦に提供するアイデアのほか、名勝「虹の松原」の活性化に向けて松葉収集機を開発する取り組みなどが発表された。
鹿児島は神村学園高等部の調理科2、3年生4人も出場。両県特産を組み合わせたコロッケを提案し、注目を集めた。