「時給1000円」で地域貢献 国の交付金を活用、草刈りなど美化活動 無理なく参加、交流生む 鹿児島

2022/02/08 08:39
畑周辺の草を刈ったり集めたりする参加者=鹿児島市喜入瀬々串町
畑周辺の草を刈ったり集めたりする参加者=鹿児島市喜入瀬々串町
 「時給千円」をもらって地域をきれいに-。鹿児島市喜入の「瀬々串地域農地保全連絡会」が取り組む“有償ボランティア”が住民に好評だ。国の多面的機能支払交付金を活用して、草刈りなどの行事に参加した人に報酬を支払う仕組み。大根やスイートコーン、オクラの畑が広がる地域から雑草が減り、地域美化につながっている。

 1月30日は20代から70代まで18人が集まり、草刈り機や鉄製の熊手を持ってテキパキと作業。草が生えて見通しの悪かった通学路や、畑に隣接する斜面の草刈りなどで3時間働いた。

 初参加の男性(44)は「子どもの頃この地域に住んでいて昨年戻ってきた。責任感も生まれ交流もできるので、大変いい取り組みだと思う」。別な参加者(40)は「強制参加ではないので気が楽だし、近所の人に『一緒に行こうよ』と声も掛けやすい。みんなで地域をきれいにするのは充実感がある」と笑顔を見せた。

 農林水産省の多面的機能支払交付金は、地域共同で行う活動や地域資源(農地、水路、農道など)の質的向上を図るための活動支援だ。瀬々串地域では「半強制の行事ではなく、できる人ができる事をやれる組織をつくろう」と2020年4月に会を発足。これまで約60回の活動を実施し、延べ460人が参加した。

 連絡会の追立幸二会長(70)は「地域をもっと好きになってもらいたいと、約350万円の交付金を住民に還元することになった。瀬々串地域に住む人なら誰でも参加できる」と活動の広がりを期待する。

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