特攻戦没者を悼み献花する参列者=南九州市の知覧特攻平和観音堂
知覧特攻基地戦没者慰霊祭が3日、南九州市の知覧特攻平和観音堂前であった。新型コロナウイルスの影響で規模を縮小したものの、3年ぶりに遺族114人が参列。計約200人が太平洋戦争の沖縄戦で亡くなった旧陸軍特攻隊員1036人の冥福を祈り、平和への思いを新たにした。
主催する知覧特攻慰霊顕彰会会長の塗木弘幸市長は「日本人の9割が戦争を知らない世代になった。今日の平和と繁栄が尊い犠牲によってもたらされたことを未来永劫えいごうに継承し、後世に伝えていく」と追悼の言葉を述べた。
遺族を代表して埼玉県北本市の渡邊茂さん(83)があいさつ。19歳で戦死した次兄次雄さんが亡くなる1年前、飛行学校で練習機の操縦席に座らせてもらったのが最後の思い出になったことなどを切々と語った。
慰霊祭は高齢の遺族らが新型コロナに感染する恐れを考慮し、一昨年から中止。顕彰会役員のみで慰霊してきた。