小学生の大問題「同級生にバレずに“大”をする」。究極奥義「神隠し」には盲点があった(連載 サンシャイン池崎の「イケザキクエスト第8話」)

2023/11/27 08:32
 小学生の時って、何であんなに大きい方のトイレに行くのが恥ずかしかったんだろう?

 大体の小学生がそうだと思う。とにかく同級生に“大”してた事を知られるのが嫌だった。男子トイレは小と大用が分かれているため、個室に入る、もしくは出てくるところを見られたら一巻の終わり。その瞬間から「お前はう○ちマンだ!」と人間からう0ちマンに転生させられる。

 うわさは広がるのは一瞬だ。学校中どこに行っても「う○ちマンだ!」「そっちにう○ちマンがいるぞ!」「う○ちマンがきた。バリアをはれ!」と魔女狩りならぬ、う○ちマン狩りが始まるのだ。あ、言い忘れました。今回トイレの話です。お食事中の方はご注意を。

 そんなもんだから大に行くのは、命懸けだ。極端な話、行かないのが一番安全だ。しかしトイレは生理現象。そういうわけにもいかない。そんな時のバレずに大をする奥義があったので紹介しよう。

 隠密トイレ奥義その(1)『旧校舎のトイレを使う』

 旧校舎のトイレはくみ取り式で、しかも新校舎から遠いためほぼ誰も使っていないからだ。しかし、ここでも注意が必要なことがある。それは時間だ。「トイレ行ってくる」と言って、戻ってくる時間が遅いと、う○ちマンと疑いをかけられてしまうのだ。そのため「トイレ行ってくる」と言って教室の扉を閉めた瞬間猛ダッシュする。

 この猛ダッシュも注意が必要。普通に走るとその姿で、「あ、あいつおなか痛くてう○ちしに行ってるのかな?」と疑われるからだ。なのでここでのダッシュはダッシュに限りなく近い歩き。猛競歩で、事前に調べておいた最短距離で行くのだ。

 隠密トイレ奥義その(2)『先生の影になる』

 旧校舎までお尻がもたない時に使う。生徒用のトイレではなく、教員用トイレを使う離れ業。先生がトイレに入ろうとした時に、先生の後ろにかがみ、影に擬態してトイレに潜入する。潜入時、脱出時ともに先生に見つかるリスクがあるが、見つかった時は「すいません。間違えました」と言えば大体、大丈夫。

 隠密トイレ最終奥義『神隠し』

 お尻が今にも爆発しそうな緊急時に使う。これは普通に生徒用のトイレの個室に入る技で、かなりリスクが高い。まずこの技は大を出しても、個室から出ずに人が来るのを待つところからスタートする。誰か来たらノックをされるのを待つ。ノックされたらちょっと声を変えて返事をする。すると「池崎がう○ちをしてる!」となり、そいつが友達を呼びに行く。この一瞬の隙を使う。パンツを置いて、水をためているタンクに足をかけ、鍵をかけたまま扉の上から脱出する。

 友達を呼びに行った男子によって、僕が入っていた個室トイレの前には人だかりができる。しかしノックしても、声をかけても池崎は出てこない。当然だ。池崎はそこにはいない。しばらくすると、しびれを切らした、う○ちマン狩りたちは肩車して、個室の中を上から確認する。「おい、池崎いるんだろ!」。しかし、そこにあるのはパンツのみ。このタイミングでとぼけた顔して本人が登場するのだ。

 「どうしたの? 誰かう○ちしてんの?」

 「え? うわああああああああああああああ!」

 これが神隠しだ。まるで人がパンツだけ残して消滅したように見せ、う○ちマン狩りを恐怖に陥れた究極奥義。何度この技に助けられた事か。ただ、この技によって結局僕も、う○ちマンに転生してしまった。この技の欠点で盲点。完全に忘れてたんだ。パンツには、母ちゃんがしっかり名前書いてるって。

 続く。

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