男女混合の玉入れで盛り上がる鹿児島商業高の生徒たち=鹿児島市の西原商会アリーナ
今春から男女共学になった鹿児島商業高校(鹿児島市)が18日、体育祭を西原商会アリーナで開いた。創立130周年の記念大会となる今年はプログラムや会場を変更。生徒550人が新種目や伝統の演舞で盛り上げた。
「がんばって」「やった」。昨年までの勇壮な雰囲気は一変し、明るい笑い声がアリーナに響き渡った。熱中症対策で初めての屋内実施。プログラムも、運動能力で差が出る種目を減らし、クイズや創作ダンスなど、レクリエーション競技を増やした。
女子生徒は、まだ1年生だけなので人数こそ男子生徒より少ないが、バトンの代わりに段ボール箱を運ぶ「宅配便リレー」やチア部によるダンスで存在感を見せた。1年東桃羽(ももは)さんは「男子に負けずに楽しめた」と喜んだ。
一方、男子校ならではの伝統も残した。3年生と生徒会の男子約150人は、応援の演舞「チンチンチャイナマイ」を元気よく披露。3年永山寛大(かんた)さんは「長年受け継がれてきた力強い踊りができた」と満足そうな表情を見せた。
近年は定員割れが続いていた鹿商は昨年、活性化を図るため共学化を決断。今春に1年生の女子生徒75人が入学した。節目の体育祭は、“新生”を印象づけるイベントになった。「生徒みんなが楽しめる体育祭を検討するいい機会になった」と堀之内尚郎(すなお)校長。同窓会長の鳥井ケ原昭人さん(74)は「今年を機に、新たな歴史をつくってほしい」とエールを送った。