地元住民と大学関係者らが参加した試食会=姶良市北山の姶良生活改善センター
鹿児島県姶良市北部の山間部にあり過疎高齢化が進む北山地区で13日、鹿児島大学と鹿児島女子短大が共同開発した地元食材を生かした薬膳メニューの試食会があった。大学教員・学生や住民約40人が参加。住民は校区コミュティ協議会が運営していた食堂「北山茶屋」の復活へ思いを新たにした。
農村の活性化を図る事業を県が鹿大に委託。鹿大地域医療学分野の網谷真理恵准教授が、共同で薬膳メニューを作ったことがある鹿女短側に声をかけて実現した。
この日は、北山で取れた旬の野菜を使い、春菊と陳皮(ミカンの皮)の温白(おんしら)あえ、小松菜の炊き込みご飯、桂皮(けいひ=シナモン)、サンショウ入り「がね」など6品を地元婦人部が調理。試食後、教員・学生と住民らが意見交換した。
北山校区は人口が約280人で高齢化率70%超。2043年には100人を割ると予想される。地域再生へ09年に「北山茶屋」を始めたが、客足が伸びず5年ほどで閉店したという。
試食した協議会の山元英美会長(66)は「食べ慣れた食材が一風変わったメニューになっておいしかった」と笑顔。
今回のメニューも活用し毎月、地元住民が集まるランチ会を開き、校区外の人を呼び込むイベントや茶屋復活につなげたい考えだ。