坑道貯蔵を示す専用ラベルを焼酎に貼る蔵元の代表ら=5日、鹿児島市の桜島有村観測坑道
鹿児島県酒造組合や鹿児島大学などが桜島の観測坑道を使って取り組む焼酎の貯蔵実験で、一升瓶の初の取り出し式が5日あった。火山活動による微細な振動など特有の環境下で酒質に変化が出るのか探る狙い。関係者は「独特の味わいが生まれているかも」と“桜島熟成”に期待を寄せた。
実験は、国土交通省大隅河川国道事務所と県も連携。昨年11月、県内13蔵元が14銘柄計312本を南岳斜面にある桜島有村観測坑道に収めた。1年ごとに瓶を入れ替えながら3年間続ける。県工業技術センター(霧島市)でも同銘柄を保管しており、鹿大などが今月中に酒質を比較分析する。
5日は各蔵元の代表が、坑道貯蔵を示す専用ラベルを貼って取り出した。鹿大焼酎・発酵学教育研究センターの高峯和則教授(61)は「坑道は一定の温度を保つ優れた貯蔵庫。電磁波も飛んでいる可能性があり、変化が楽しみ」と話した。
酒造組合によると、分析結果は来年1月、桜島の地域イベントに合わせ発表する予定。