ウクライナの平和を祈る関係者=14日、鹿児島市唐湊2丁目
ロシア軍のウクライナ侵攻で被害が拡大する中、鹿児島市唐湊2丁目のレデンプトール宣教修道女会日本地区のシスターは14日夜、同国の平和を祈る集会を唐湊修道院近くで開いた。「少しでも早く平和になって」「苦しんでいる人々のために」。信者のほか、近くの住民ら宗教や宗派を超えた約30人がキャンドルをともし、祈りをささげた。
同修道女会はカトリック教会の一組織。1957年に発足し、ドイツに総本部がある。ウクライナやチリなど5カ国に拠点があり、唐湊2丁目に日本地区の本拠地を置く。ウクライナでは仲間のシスターたちが現地にとどまり、避難住民の支援などに当たっている。
日本地区には総本部を通じ、ウクライナの現状がメールなどで入ってくる。侵攻後、首都キエフ北東にあるチェルニヒウのシスターらは西部リビウへ避難。「夜に何回も地下室へ避難する」「サイレンが鳴った」と緊迫した状態を伝える映像が寄せられた。ドイツの関係者が避難民や支援物資の受け入れを急ぐ様子も届いている。
「避難する地下室がなく、置かれる場で自分たちを保護します」「たった今、近くで爆発の音が聞こえているが、幸いに生きています」。14日夜には、チェルニヒウの教会に残る神父が4日時点の状況を知らせたメッセージが読み上げられた。
ウクライナのシスターらはこれまでに数回、唐湊修道院を訪れた。互いの国の情報交換したり、研修会で学んだりした。日本地区副地区長の澤ヤエ子さん(80)は「勉強熱心で、言葉が通じなくても助けてくれる優しい人々」と振り返る。「国民のためにと頑張っているシスターらの家族も心配」とおもんぱかる。
集会の参加者は「ロシア軍に取り囲まれている人々のために」「恐怖の中で過ごさなければならない子どもたちのために」と声をそろえ、思いを寄せた。同市伊敷台6丁目の団体職員揚村亮介さん(36)は「今できることをしたいと思った。ウクライナに少しでも早く平和が戻ってほしい」と願った。