生ごみをリサイクルした堆肥を施した茶畑で行われた茶摘み=日置市東市来町養母
家庭の生ごみをリサイクルして作った堆肥を施した茶畑の茶摘みが、日置市東市来の東製茶のほ場であった。摘み取った茶葉は「オール日置茶」という商品名で今後、物産館などで販売する予定。
使用した堆肥は丸山喜之助商店(同市)の「よかんど」。市は2015年から自治会の協力を得て、24時間365日出せる生ごみ回収バケツを市内に設置、現在700カ所を数える。同社が堆肥化している。
東製茶など市内全16の茶工場は、21年に国際認証のASIAGAPを取得。「ASIAGAP HIOKI茶部会」を立ち上げ、JAさつま日置や市、県と協力して信頼性の高い茶作りを推進してきた。今回は南日本銀行が生ごみ堆肥の活用を提言した。
摘み取ったのは玉露用の茶葉約500キログラム。葉緑素を測ると、緑色が非常に濃い状態という。東裕一郎社長(54)は「従来通りいい出来栄え。色つやに有機肥料の効果が出ているのでは」と満足げだった。
同市は生ごみ堆肥化で、二酸化炭素排出を年間300トンほど削減している。
鹿児島地域振興局日置市駐在の富浜毅さん(50)は「SDGs(持続可能な開発目標)を実践する地域循環型の取り組みを、さらに広げていきたい」と話した。