加治木高校の正門近くに立つ「殉難学徒の碑」=姶良市加治木
■加治木高校「殉難学徒の碑」(姶良市加治木町仮屋町)
太平洋戦争終結から77年目の8月15日を迎える。鹿児島県内各地に残る戦時中の遺構や犠牲者を悼む碑などは、戦争を今に伝える。体験者が年々減る中、あの悲惨な出来事を忘れないために、戦争にまつわる遺跡を記者が歩いた。
姶良市加治木は空襲で被災した町だ。終戦4日前の1945年8月11日、多数の米軍機が襲来し、旧制加治木中学校(現加治木高校)も爆撃を受けた。空襲警報が響く中、教室は吹き飛び、全ての校舎が焼け落ちた。
ちょうど試験が予定され、多くが登校していた不運が重なり、15人もの生徒が命を落とした。3月に列車での通学中に犠牲となった1人を合わせた16人の名が、校内に立つ「殉難学徒の碑」に刻まれている。
同窓会は毎年8月11日に総会を開く。会長の末永豊邦さん(80)は「空襲を受けた日を忘れないとの思いがある。戦争のない平和の尊さを、若い生徒に伝えていきたい」と話した。