母国料理「ワレニキ」を作るウクライナの学生ら=17日、姶良市西餅田
ウクライナから鹿児島に避難している学生らを招き、現地の料理「ワレニキ」を作る会が17日、姶良市であった。ウクライナの5人が支援者と食卓を囲み、「集まって料理するのは楽しい。ストレスを減らすことができる」と母国の家庭の味を満喫した。
フードバンクお助けマン霧島(霧島市)の村上光信理事長(72)が、無添加食品加工の鹿児島ますや(姶良市)の米増昭尚社長(61)らと協力して実現させた。ワレニキは水ギョーザに似た料理で、小麦粉や卵で作る「皮」にジャガイモやキノコを包んでゆでる。
参加したのは、鹿児島キャリアデザイン専門学校(鹿児島市)で日本語を学ぶヴォロシュチュク・ヴィクトリアさん(20)ら学生3人のほか、カミンスカ・オレーナさん(39)と娘のナタリーさん(12)。
ワレニキはウクライナでも家族や親戚が集まり、にぎやかに作るといい、5人は母国語で互いに教え合うなどしながら、無添加黒豚を使ってギョーザ風に作った。現地にならいサワークリームを付けて食べた。
ヴォロシュチュクさんはリラックスした様子で「上手に包めなかったけど、楽しかった」。カミンスカさんは「避難してきたころは生きる意味を感じられなかった。みんなで集まりコミュニケーションを取ると、ストレスから逃れられる」と話した。
村上さんと米増さんは「故郷の味を届けたかった。母国の料理に触れて、少しでも元気を出してもらえたらうれしい」と話した。