馬毛島の基地計画について意見交換する塩田康一知事(右)と八板俊輔市長(左)=25日、県庁
鹿児島県西之表市馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画で、八板俊輔市長は25日、県庁で塩田康一知事と面会した。冒頭あいさつで「十分とは言えないまでも、住民の判断材料はそろいつつある。馬毛島問題は佳境を迎えている」と述べ、計画への意向表明に意欲を示した。
面会は約40分間で、冒頭だけ公開した。八板市長は面会後、表明時期について、「9月議会で一定の考えを示す」と改めて説明。「白か黒かみたいには難しいと思う」とも述べ、表明のあり方には含みを残した。
判断材料として、訓練の騒音や想定経路以外を飛ばない対策、振興策などを例示し「根拠を持って判断する」と強調。現状については、冒頭あいさつで「実際に問題が起きると想定し、どう対応するか詳細を詰める必要がある」とした。報道陣から「受け入れ条件を示すか」などと重ねて問われたが、「どういう言葉を使うか考えている」と述べるにとどめた。
一方、塩田知事は「アセス(環境影響評価)手続きの途中で、十分に判断材料がそろうまでには至っていない」と指摘。市長の考えのほか、騒音対策や産業への影響、国の対応を踏まえ判断するとし、従来の立場を崩さなかった。
面会では、5月の前回面会以降に行われた市と防衛省との協議や、市が行った住民説明会などについて意見を交わした。