9年前に夫他界、87歳女性が終活で考えた「残った資産は社会貢献に」…自宅も売却、計4000万円を救急車両購入に寄付

2024/01/05 08:03
救急車や指揮車の購入費を寄付した秀島美代子さん(右から2人目)=鹿児島市の南消防署
救急車や指揮車の購入費を寄付した秀島美代子さん(右から2人目)=鹿児島市の南消防署
 鹿児島市の秀島美代子さん(87)は、高規格救急車2台と指揮車1台の購入費として、鹿児島市消防局に計4000万円を寄付した。昨年12月27日に南消防署でお披露目式があり、消防局からは感謝状が贈られた。

 美代子さんは、9年前に夫の瑛一さんが他界して以来、1人暮らし。持病を抱えていることもあり、終活として「残った資産は社会貢献に使いたい」と考えていた。救急車が不足している現状を知り、「命を守る人たちの力になれれば」と寄付を決意した。寄付金には自宅の売却費用なども充てた。

 指揮車は南消防署、救急車1台は谷山北分遣隊で運用中。残り1台は来年度中に伊敷分遣隊に配備される。

 父が戦前に警防団長だったこともあり、「消防の方々の苦労は理解している」と美代子さん。お披露目式では、署員から車内装備について説明を受けた。美代子さんは「命を守る隊員らの仕事に生かされ、人命救助に役立てば」と話した。3台の車体には、夫婦の名前が入っている。

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