出品牛を乗せた車両を拍手で迎える関係者=10日午後7時ごろ、霧島市隼人町西光寺
■姶良で150人出迎え
全国和牛能力共進会(全共)で最高賞の内閣総理大臣賞を獲得するなどした鹿児島県の姶良地区の4農家の4頭が地元に凱旋(がいせん)した10日夜、地区内3市町の職員やJAあいらなどの関係者約150人が大きな拍手で出迎え、「和牛日本一」を祝った。
出発した姶良中央家畜市場(霧島市隼人町西光寺)に4頭を載せた車両が到着すると、関係者らは「祝日本一」「内閣総理大臣賞おめでとう」などと書かれた横断幕を手に、拍手や声援で祝福した。あいら地域全共出品対策協議会長の中條秀二JAあいら組合長は「予選で涙をのんだ多くの農家の思いを背負って頑張ってもらった。すばらしい成績だった」とねぎらった。
4農家を代表してあいさつをした藤山粋さん(47)=同市福山=は「日本一になると自分を奮い立たせてきた。発表の瞬間は鳥肌が立った」と喜びを語り「全共で得たことを周囲に伝え、牛飼いを目指す若い人を増やしたい」と話した。
姶良地区からは第4区(繁殖雌牛群)に拵正人さん(62)=湧水町=の「やすこ」、藤山さんの「てるはな」、落合新太郎さん(26)=霧島市=の「さき」が出場し、最高賞の内閣総理大臣賞。第2区(若雌の1)では福崎正廣さん(69)=姶良市=の「みか」が3席に輝いた。
■湧水は20人
内閣総理大臣賞を受賞した湧水町の「やすこ」は、10日午後8時半ごろに同町木場の牛舎に戻った。遅い時間にもかかわらず、関係者ら約20人が出迎え、5日間の健闘をたたえた。
出品者の拵正人さん(62)も無事帰還し、ほっとした様子。「受賞が町内の畜産農家の励みになれば。牛が体調を崩す恐れがあるので、食事の調整などで管理に努めたい」と話した。
引き手を務めたJAあいら職員米山恵太さん(24)は「途中、牛が立たなくなって心配した。共進会出場は初めてで、周りの支えのおかげでいい経験ができた」と喜んだ。