支持者から祝福される宮路拓馬さん=31日午後11時59分、鹿児島市上之園町
与野党一騎打ちとなった1区は、自民前職の宮路拓馬さん(41)が、立憲民主前職の川内博史さん(59)との激戦を制し、初めて選挙区での勝利をつかんだ。若さと多様性を重視する姿勢を前面に出し、浮動票が多い県都で自民の議席奪還を果たした。
午後11時50分すぎ、当確の報が入ると、鹿児島市上之園町の事務所に集まった支援者らは喜びを爆発。興奮を抑えきれず、抱き合ったり「宮路」コールが起こったりした。公認獲得を争い、今回比例九州に回った自民新人の保岡宏武さん(48)も祝福に駆け付けた。
宮路さんは満面の笑顔で姿を見せ「本当に厳しい状況からの選挙戦だった。心から感謝です。われながら幸せ者」と何度も深々と頭を下げた。目には涙をうかべ「新しい社会を、新しい政治を共につくっていこうという皆さんの思いに支えられた」と話した。
知名度が高い川内さんを相手に出遅れ感は否めなかった。保岡さんと4年近く支持拡大を競い、公認問題が決着したのは公示2カ月前の8月下旬。両者のしこりがささやかれる中、選挙戦終盤には友好団体の集会でそろって登壇するなど融和を演出した。
演説では女性の活躍に向けた取り組みを“一丁目一番地”と強調。「自民党らしくない」ことをうりにした。障害者福祉施策や子育て支援の推進への思い入れも強く、「多様で公正な社会の実現こそ人口減少社会に対応でき、新たな産業創出につながる」と訴えた。大物弁士も続々と応援に入った。
3期目となり「将来、大臣や首相を狙える人材」と周囲の期待は高い。明るく気さくな人柄にも定評がある。「期待と未来を託してもらった。全力でこたえる」と力を込めた。