高品質・低価格 九州産材の戸建て住宅、4月発売 三菱地所系、鹿児島・宮崎・熊本で 栗野工高跡でユニット生産

2022/01/07 10:32
木造平屋建て住宅の組み立てに使うユニット=湧水町のMEC Industryの工場
木造平屋建て住宅の組み立てに使うユニット=湧水町のMEC Industryの工場
 不動産大手・三菱地所(東京)系列の総合木材事業会社「MEC Industry(MI)」(霧島市)が4月、鹿児島を中心に宮崎、熊本県産の木材を使った平屋の一戸建て住宅の販売を3県で始める。木材流通や建築工程の効率化を図り、100平方メートルで約1000万円の低価格に抑えた。

 脱炭素社会を念頭に、他の建材よりCO2(二酸化炭素)の排出量が少ないとされる木材を利用して森林を循環させることで、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも寄与する。

 湧水町の栗野工業高跡地で2021年に稼働を始めた工場で、あらかじめ床、天井、壁を組み立て内装工事まで終えた直方体のユニットを生産。床と天井には強度に優れた大型パネル「直交集成板(CLT)」、壁にはツーバイフォー(2×4)の部材を使う。いずれも同社製。建設現場ではユニットをつなぎ合わせるだけで済み、作業負担の軽減と工期の短縮につながる。建築業界の人手不足への対応に加え、高品質・低価格住宅の販売が可能になる。

 施工目標は年300棟。森下喜隆社長(53)は「国産材の用途を広げ、安定的な供給・利用を目指す」と話した。

 同社には、南国殖産(鹿児島市)や山佐木材(肝付町)も資本参加。木材の調達から販売まで一貫して行う。住宅販売のほか、鉄筋コンクリート(RC)造ビルの内装仕上げ材に使える新たな木製部材の生産・販売も手掛ける。工場は本年度内に大部分の整備を終え、本格稼働に入る予定。年間5万5000立方メートルの丸太を調達する見込み。

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